『誰がための刃 レゾンデートル』 知念実希人 > 「このミス」完全読破 No.538
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.538
『誰がための刃 レゾンデートル』 知念実希人
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) : 「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.5.7 ~ 読終:2012.5.15
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年4月>
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第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞した作品です。
この賞は、過去の受賞作や、最終選考を島田荘司1人で務めていることからもわかるように、ジャンル的には本格ミステリのイメージが強い新人賞となっています。
ただ本作は、本格ミステリどころかミステリ要素すら控えめという、この賞の受賞作としては異色ともいえる内容なのですが、それにも関わらず受賞したということでその評価のほどが窺い知れますね。
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外科医である主人公は、自身が末期がんに侵されていることが判明し、自暴自棄な生活に。
そんな中で、街の不良とのいざこざをきっかけに世間を騒がす連続殺人鬼“ジャック”と接触することになり、さらには暴漢に襲われていた少女を助けたことから、主人公の残り少ない生活は大きく変わっていくのです。
というわけで、余命わずかな主人公、そして悲哀な恋愛要素もあるということで、一昔前のケータイ小説によくありそうな設定ではあるのですが、それでいてクライムサスペンスやハードボイルドとでも呼ぶべき硬派な内容に仕上げられているのが面白いですね。
特にバトル的なアクションシーンに力が入っていて、それをスピード感あふれるストーリー展開が強く後押ししていますし、作者が現役の医師ということもあって病気や治療法・病院内などの描写にリアルな迫力と強烈なインパクトがあるので、医療が絡んだエンタメアクションという異色な魅力が作品内にたぎっていたように思います。
まあ、ミステリ的な仕掛けが明け透けで、視点が多すぎなことで話の流れにもどかしさを感じたりもしましたが、良い意味で新人ならではの勢いと熱さが溢れていますし、全体的に見れば異色でも個々の要素は直球な面白さがある作品なので、ミステリ的な魅力を期待するのでなければ、この“現役医師が描くエンタメハードボイルド”を大いに楽しむことができるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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