『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾 > 「このミス」完全読破 No.537
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.537
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾
「このミス」2013年版 : 50位
受賞(候補) : 「中央公論文芸賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(小説ランキング) 3位
(文庫ランキング) 7位
「週刊文春ミステリーベスト10」 20位
読始:2012.5.3 ~ 読終:2012.5.6
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年3月>
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東野圭吾の2012年最初に発表された長編作品です。
近年の東野圭吾の長編作品といえば、事件捜査物やサスペンス物がほとんどとなっていますが、本作はそれらとは作風が大きく違う、SFファンタジーともいうべき作品となっています。
そしてタイムスリップが用いられていることから、2002年の「トキオ(文庫化の際に「時生」に改題)」に近いテーマと言えるのかもしれませんね。
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ある犯罪を行ったばかりと思しき3人組が、一晩の隠れ家に選んだのが、かつて雑貨店だった空き家。
ところがこの雑貨店には、明らかに過去から来たとしか思えない奇妙な手紙が届けられてくるという、なんとも不思議な現象が。
実はこの雑貨店の店主は、40年前頃に手紙を使っての悩み相談を行っていて、その手紙の一部がなぜか未来の3人組の元へ届けられたわけなのですが、そこから3人組と過去の人間との時空を超えた手紙のやり取りを中心にして、過去と現在(未来)の話が連作に近い形式で語られていきます。
未来から過去の人間に対して人生を大きく左右するような相談に答えていくということで、普通の人生相談とは一味違ったやり取りとなり、それによってじんわりと心に染み込んで来るような人間ドラマが絶妙なほどに生み出されているので、ハートフルSFファンタジーといった感じでしたね。
ただそんな感動を呼ぶドラマだけでなく、話が進んでいくにつれて様々な出来事が見事なまでに繋がっていくという、綿密に仕掛けられたストーリー展開もやはり素晴らしいので、ミステリ要素がメインではないものの、伊坂幸太郎作品に近いような伏線ミステリを堪能できるのではないでしょうか。
それに、3人組のキャラクターなどからほのぼのとした雰囲気が漂っていて、それでいて考えさせられたりしんみりとさせられたりもするので、多くの人が楽しめるだろうし、近年の東野圭吾の長編作品とはまた違った魅力に満ち溢れていると思います。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0784 「マスカレード・イブ」
> No.0757 「虚ろな十字架」
> No.0720 「疾風ロンド」
> No.0690 「祈りの幕が下りる時」
> No.0655 「夢幻花」
> No.0598 「禁断の魔術 ガリレオ8」
> No.0580 「虚像の道化師 ガリレオ 7」
> No.0537 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
> No.0526 「歪笑小説」
> No.0479 「マスカレード・ホテル」
> No.0457 「真夏の方程式」
> No.0437 「麒麟の翼」
> No.0418 「鳥人計画」
> No.0377 「白銀ジャック」
> No.0342 「プラチナデータ」
> No.0285 「カッコウの卵は誰のもの」
> No.0266 「魔球」
> No.0236 「新参者」
> No.0184 「パラドックス13」
> No.0130 「聖女の救済」
> No.0085 「流星の絆」
> No.0053 「赤い指」
> No.0045 「容疑者Xの献身」
> No.0022 「超・殺人事件」
> No.0010 「秘密」
> No.0006 「名探偵の掟」
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