『帰りなん、いざ』 志水辰夫 > 「このミス」完全読破 No.531
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.531
『帰りなん、いざ』 志水辰夫
「このミス」1991年版 : 6位
受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.12.11 ~ 読終:2012.3.19
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本(講談社文庫) <1993年7月>
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シミタツこと志水辰夫は、「このミス」創刊期のランクイン常連作家でした。
創刊された1988年には今から思うと意外に感じるコメディ作品No.263「こっちは渤海」で初ランクインを果たし、翌1989年にはNo.408「深夜ふたたび」でトップ10入りして、翌年の1991年版では本作で3年連続ランクイン。
そしてさらに翌年の1992年版においてついにNo.30「行きずりの街」で1位に輝くわけなのですね(ちなみに翌1993年版には「滅びし者へ」が12位となり、創刊号から5年連続ランクイン)。
そんなわけで本作ですが、タイトルは陶淵明の詩「帰去来辞」の冒頭部分“帰去来兮(帰りなんいざ)”からとられていて、内容の方もこの詩がモチーフとなっています。
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自称翻訳家の稲葉雅行が新たな住処としたのは、山奥にひっそりと存在する小さな村。
他所者に厳しい住民たちとの生活が始まるも、東京の地上げ屋から狙われているこの村には謎めいた過去があり、稲葉はその過去に絡んだ事件に巻き込まれていって.....。
というわけで、主人公が事件に巻き込まれたり自ら探っていったりするハードボイルド的作品なのですが、その多くの部分が山奥の村を舞台にしていて、そこでの生活や恋物語などが描かれていくので、作中からもどことなくのんびりというか緩やかな印象が感じられました。
それでもクライマックスでは激しさと強烈さとが合わさった迫力あるシーンが展開されていくので、さすがの読み応えがありましたね。
なので、同じ恋愛が絡むハードボイルド的作品といえども翌年に1位となる「行きずりの街」とは全くと言っていいほど読み応えは異なるのですが、鮮やかな文体と熱い物語というシミタツの魅力はどちらの作品でも変わらず堪能できるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “志水辰夫” 関連記事 】
> No.531 「帰りなん、いざ」
> No.408 「深夜ふたたび」
> No.263 「こっちは渤海」
> No.030 「行きずりの街」
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