『猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数』 北山猛邦 > 「このミス」完全読破 No.530
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.530
『猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数』 北山猛邦
「このミス」2013年版 : 45位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 18位
「黄金の本格ミステリー」 選出
読始:2012.3.6 ~ 読終:2012.3.18
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : ノベルス <2011年12月>
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No.451「私たちが星座を盗んだ理由」で「このミス」初ランクインを果たした北山猛邦の新作です。
大学の探偵助手学部に通うクンクンとマモルは、2年生時のゼミ選択で希望する人気ゼミに入ることが出来ず、二人共に知名度ゼロの猫柳ゼミ行きが決定。
ゼミへ挨拶に行ってみると、そこに現れた探偵・猫柳十一弦は、意外にも若くて頼りない感じの女性。
彼女の下で立派な探偵助手になれるのかと今後への不安を抱えつつも仲良し3人組になっていくのですが、そんな中で名門ゼミとの合同研修が決まり、研修地である“孤島の館”へと向かうことに.....。
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というわけで、探偵助手学部に関わる事件が描かれた本格ミステリ作品です。
この探偵助手学部というのは、探偵ではなく“探偵助手”になることを目指している学生のための学部でして、実際に活躍している探偵が教授となって探偵学を指導するという、この作品オリジナルの学部となっています。
そして主人公たちが所属するゼミの研修地である孤島の館が台風のために孤立化し、連続殺人事件が繰り広げられるという、まさに館系本格ミステリの定番的な展開となっていくのですが、この事件に巻き込まれるのが探偵と探偵助手候補生ということもあって、登場人物たちは全員がある程度の探偵的知識を持ち得ているのです。
なので、館系本格ミステリの舞台設定やトリックなどある意味舞台裏ともいうべき部分にも触れながら、考察を交えた推理合戦が行われていくので、館系本格ミステリ作品を多く読んでいる人ほど楽しむことが出来るのではないでしょうか。
とはいえ、ガチガチな本格ミステリに仕上がっているわけではありませんでして、学生たちのやり取りは青春ミステリ的だし、主人公である女探偵のキャラクターなど最近流行りのユーモアミステリのような感じがあるので、(本格ミステリとユーモアミステリの)どちらか一方の要素のみを期待してしまうと少し物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、どちらの要素もOKなのであれば、シリーズ化を強く望むくらいに好きになるに違いないでしょうね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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