『絶海ジェイル Kの悲劇'94』 古野まほろ > 「このミス」完全読破 No.533
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.533
『絶海ジェイル Kの悲劇'94』 古野まほろ
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.4.9 ~ 読終:2012.4.12
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2012年1月>
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No.436「群衆リドル Yの悲劇'93」に続くシリーズ2作目です。
副題からもわかるように、前作の1年後の話なのですが、直接ストーリーが繋がっているわけではないです。
それに、舞台設定や主人公2人のキャラクター・関係性は冒頭のやり取りを読むだけで理解できると思うので、いきなり本作から読んでもそれほど問題ないのではないでしょうか。
ちなみに、“悲劇シリーズ”としては本作の前にNo.478「命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇'75」も出ているのですが、登場人物や作品舞台など大きな繋がりはないので、特に気にすることはないと思います。
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天才的ショパニストである“イエ先輩”こと八重洲家康は、大戦中に獄死したはずの祖父が生きているという情報を得ることに。
後輩以上彼女未満の渡辺夕佳、そして情報源でもある音楽雑誌編集長・波乃淵今と共に、祖父が捕えられていた絶海の孤島・古尊島を訪れると、そこには驚くべき事態が待ち受けていて.....。
といった導入部でして、その後はもちろん本格ミステリを主軸としながら、難攻不落な監獄からの脱獄劇、そしてデスゲーム的展開が絡み合ってくるのです。
つまり今回はサスペンス的な演出で物語が盛り上げられていくわけですが、それでもやはり主人公が俺様的天才ということもあってか、推理ミステリとしての印象の方が強いし魅力的でしたね。
そして本格ミステリ的には、今回も「読者への挑戦」があるものの、前作同様にトリックが反則技ギリギリの所を突いてくるトンデモ系なので、読みながら真面目に推理などしない方がよいと思われます。
あとやはり古野まほろ作品といえば、特徴なのは“まほろ節”とも呼ばれるくアクの強い個性的すぎる表現&文体の数々ですが、“天帝シリーズ”と比べれば物足りなく思うほどに読みやすくなっているとはいえ、それでもやはり独特な癖が文章やキャラクターなどから感じられるので、読む人を選ぶ作品ではありそうですね。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “古野まほろ” 関連記事 】
> No.533 「絶海ジェイル Kの悲劇'94」
> No.478 「命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇'75」
> No.436 「群衆リドル Yの悲劇'93」
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