「このミス2012年版」ランクイン作品数珠つなぎオススメ本ガイド(6-10位)
「このミステリーがすごい!2012年版」が発売されて早くも4ヶ月以上が経ったので、上位にランクインした作品を読んでみた方も多いのではないでしょうか。
ただ、ランクインした作品を読んでいくだけというよりも、読んで面白かった作品にタイプが近い本を読んでいく、という方が、どんどんと読む本・好きな本が広がっていくと思うのです。
なので、「このミス2012年版」のベスト10にランクインした作品にタイプの近いところがある作品を、過去の「このミス」にランクイン(したりしなかったり)した本の中から選んで、「数珠つなぎオススメ本ガイド」として紹介してみたいと思います。
ただ、1作品につき2作品ずつ紹介していく形なので、“数珠つなぎ”とはいえないかもしれませんが、この企画を何年も続けていけば自然と数珠のように繋がっていくのではないか、ということでご勘弁ください。
ちなみに、ほとんど同じようなタイプの作品のみを紹介するのはさすがに無理なので、一部分で繋がりのある作品を紹介するような形となります。
そのため、必ずしも読んだ人が面白く感じた部分がつながっているとは限らないので、その点をご了承した上で参考にしてみてください。
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6位 : 消失グラデーション / 長沢樹 <感想記事はこちら>
横溝正史ミステリ大賞受賞作でもある本作は、高校での転落事故(事件)が重要な役割を果たすので、同じように校内での転落事故(事件)が取り扱われた作品を紹介してみましょう。
まずは、2011年版9位の「アルバトロスは羽ばたかない」。児童養護施設を舞台にしたシリーズの2作目ですが、施設の生徒たちが通う高校での転落事故の謎を探っていく話が、凝った構成で語られていきます。
2冊目は、1992年版12位の「秋の花」。日本の日常の謎系ミステリの先駆者的存在の“円紫さんと私シリーズ”の3作目である本作は、シリーズ前2作とは作品の傾向がガラリと変わっていて、女子高生の転落死の謎に迫る長編となっています。
アルバトロスは羽ばたかない / 七河迦南 <感想記事はこちら>
秋の花 / 北村薫
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7位 : メルカトルかく語りき / 麻耶雄嵩 <感想記事はこちら>
謎解き本格ミステリの常識を覆す真相が導き出されるアンチミステリ的作品集ですが、今年は「このミス」にランクインこそしなかったものの同じ講談社ノベルスから似たタイプの異端派本格ミステリ作品が発表されているので、その2作品を紹介してみましょう。
まずは、「虚構推理 鋼人七瀬」。「本ミス」では4位にランクインした本作は、都市伝説に対し合理的な解釈をぶつけることで解決に導くという、異色の推理が展開されていきます。
2冊目は、「密室殺人ゲーム・マニアックス」。“密室殺人ゲームシリーズ”の3作目となりますが、今回は外伝的作品ということもあり、「メルカトルかく語りき」と似たタイプの実験的トリックが仕掛けられた作品も収録されています。
虚構推理 鋼人七瀬 / 城平京
密室殺人ゲーム・マニアックス / 歌野晶午 <感想記事はこちら>
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No.200「警官の血」(2008年版1位)に次いでベスト10入りとなったシリーズ2作目なので、2012年版までにおいてシリーズ全作品が「このミス」でベスト10入りしている佐々木譲のシリーズ(の1作目)を紹介してみましょう。
まずは、“駐在警官・川久保篤シリーズ”。1作目の「制服捜査」が2位、2作目の「暴雪圏」が8位と、やはり評価の高い警察小説シリーズです。
続いては、“第二次世界大戦秘話三部作”。1作目の「ベルリン飛行指令」が4位、2作目の「エトロフ発緊急電」も4位、3作目の「ストックホルムの密使」が2位と、全作品が4位以上というハイアベレージなシリーズです。
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9位 : 心に雹の降りしきる / 香納諒一 <感想記事はこちら>
破滅へと向かっていくハードボイルド刑事小説なので、警察官(刑事)が主人公の破滅系&ハードボイルド系作品を紹介してみましょう。
まずは、同年(2012年版)16位の「引擎 ENGINE」。一匹狼刑事の主人公が狂気をまといながら捜査を行っていく、かなり硬派なハードボイルド作品です。
2冊目は、2008年版14位の「悪果」。極道以上に極悪な刑事コンビが、関西弁での小気味良い会話と共に暴れまくる犯罪系警察小説です。
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9位 : 機龍警察 自爆条項 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
機龍兵などが登場するSF警察小説なので、「このミス」にランクインした近未来が舞台のSF的作品を紹介してみましょう。
まずは、2006年版16位の「シャングリ・ラ」。多層階空中都市が建設された近未来の東京を舞台にド迫力なアクションが繰り広げられる、一大SFエンタメ大作です。
2冊目は、2004年16位の「マルドゥック・スクランブル」。SF度がかなり高い近未来舞台設定ですが、その破壊力抜群のアクションシーンに、緊張感が張り詰めるギャンブルシーンなど、「このミス」で評価されたのも大いに納得のジャンルを超えたSFエンタメ大作です。
シャングリ・ラ / 池上永一
マルドゥック・スクランブル / 冲方丁 <感想記事はこちら>
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