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2012年3月 9日 (金)

「このミス2012年版」ランクイン作品数珠つなぎオススメ本ガイド(1-5位)

 「このミステリーがすごい!2012年版」が発売されて早くも3ヶ月が経ったので、上位にランクインした作品を読んでみた方も多いのではないでしょうか。

 ただ、ランクインした作品を読んでいくだけというよりも、読んで面白かった作品にタイプが近い本を読んでいく、という方が、どんどんと読む本・好きな本が広がっていくと思うのです。

 なので、「このミス2012年版」のベスト10にランクインした作品にタイプの近いところがある作品を、過去の「このミス」にランクイン(したりしなかったり)した本の中から選んで、「数珠つなぎオススメ本ガイド」として紹介してみたいと思います。

 ただ、1作品につき2作品ずつ紹介していく形なので、“数珠つなぎ”とはいえないかもしれませんが、この企画を何年も続けていけば自然と数珠のように繋がっていくのではないか、ということでご勘弁ください。

 ちなみに、ほとんど同じようなタイプの作品のみを紹介するのはさすがに無理なので、一部分で繋がりのある作品を紹介するような形となります。

 そのため、必ずしも読んだ人が面白く感じた部分がつながっているとは限らないので、その点をご了承した上で参考にしてみてください。


 *タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです

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   1位 : ジェノサイド / 高野和明  <感想記事はこちら>


 まずは、「このミス2012年版」の1位に輝いた「ジェノサイド」。

 様々な要素が注ぎ込まれているエンタメ大作ですが、ここはタイトルにもなっている“虐殺(ジェノサイド)”に関連する作品を紹介してみましょう。

 まずは、2008年版21位の「虐殺器官」。虐殺が巻き起こる世界における圧倒的な物語が描かれた作品で、SFながら「このミス」で次点になるほど票を集めたのも納得の内容です。

 2冊目は、1991年版4位の「遥かなり神々の座」。基本的には山岳小説なのですが、謎めいた任務や国際謀略的展開がありつつ虐殺場面が登場し、そこからはスリル溢れる逃亡劇が描かれていきます。


  虐殺器官 / 伊藤計劃

  遙かなり神々の座 / 谷甲州  <感想記事はこちら>


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   2位 : 折れた竜骨 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>


 剣と魔法のファンタジー的世界観と本格ミステリとの融合により新境地を開拓した作品ですが、騎士が探偵役を務めるという意外性も魅力の一つだったと思うので、意外なキャラクターが探偵役を務める作品を紹介してみましょう。

 まずは、1989年15位の「鳥人計画」。物語の早い段階で犯人がわかる倒叙形式のミステリなのですが、その犯人が探偵(的役割)となって真相を探っていくという、かなり意外な展開となっていきます。

 2冊目は、1989年8位の「生ける屍の死」。探偵を務めるのはなんと死者、しかもその連続殺人事件の第一の被害者である死者という、かなりぶっとんだ設定の本格ミステリとなっています。


  鳥人計画 / 東野圭吾  <感想記事はこちら>

  生ける屍の死 / 山口雅也  <感想記事はこちら>


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   3位 : 開かせていただき光栄です / 皆川博子  <感想記事はこちら>


 年齢のことを言うのは失礼かもしれませんが、80歳を超えながらもこれだけの作品を作り上げてしまうのは本当にすごいことだと思うので、同じ1930年代生まれで「このミス」の高順位にランクインした作家の作品を紹介してみましょう。

 まずは、2001年版1位の「奇術探偵曾我佳城全集」。1933年生まれの泡坂妻夫は「このミス」創刊期からランクインの常連で、本作にてついに「このミス」1位に輝きました。

 2冊目は、1992年版1位の「行きずりの街」。1934年生まれのシミタツこと志水辰夫も、やはり「このミス」創刊期のランクイン常連でして、本作は「このミス」で1位になった15年後に再び大ヒットを記録したりもしました。


  奇術探偵曾我佳城全集(秘の巻、戯の巻) / 泡坂妻夫  <感想記事はこちら>

  行きずりの街 / 志水辰夫  <感想記事はこちら>

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   4位 : 絆回廊 新宿鮫Ⅹ / 大沢在昌  <感想記事はこちら>


 シリーズが10作も続くことだけでも凄いことなのに、マンネリにもなりかねない10作目で高評価を得るのは並大抵のことではないので、過去に「このミス」にランクインしたシリーズ10作目の作品を紹介してみましょう。

 まずは、2005年版11位の「生首に聞いてみろ」。法月綸太郎シリーズの10作目となる本作は、「このミス」「本ミス」でダブル1位になっただけでなく、本格ミステリ大賞を受賞するなど、大変評価の高い作品です。

 2冊目は、1989年3位の「奇想、天を動かす」。吉敷竹史シリーズの10作目(関連短編が収録されているノンシリーズ短編集「展望塔の殺人」を含めれば11作目)となる本作は、本格ミステリと社会派ミステリの融合が最も成功した作品と評価されている、歴史的傑作でもあります。


  生首に聞いてみろ / 法月綸太郎  <感想記事はこちら>

  奇想、天を動かす / 島田荘司  <感想記事はこちら>


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   5位 : ユリゴコロ / 沼田まほかる  <感想記事はこちら>


 偶然見つけた謎の手記が効果的な演出となっているホラーミステリ作品なので、謎めいた内容の手記が登場する作品を紹介してみましょう。

 まずは、1991年版13位の「どこまでも殺されて」。今まさに殺されてようとしている少年の手記、というだけでも物騒ですが、この少年はこれまでに7回殺されていて、今回で殺されるのは8回目、というかなり不気味で謎めいた手記が登場します。

 2冊目は、2010年版43位の「絶望ノート」。いじめを受けている少年の日記が綴られていくのですが、その先には歌野晶午らしい驚きが待ち受けているのです。


  どこまでも殺されて / 連城三紀彦  <感想記事はこちら>

  絶望ノート / 歌野晶午  <感想記事はこちら>


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 >>> 「このミス2012年版」ランクイン作品数珠つなぎオススメ本ガイド(6-10位)


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