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2012年2月27日 (月)

『こめぐら 倉知淳作品集』 倉知淳 > 「このミス」完全読破 No.523

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.523

 『こめぐら 倉知淳作品集』 倉知淳

   「このミス」2011年版 : 17位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 10位

   読始:2012.2.21 ~ 読終:2012.2.25

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2010年9月>

こめぐら (創元推理文庫)こめぐら (創元推理文庫)
倉知 淳

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 倉知淳は、寡作で有名なミステリ作家の一人です。

 2005年の「猫丸先輩の空論」以来、5年も新作の発表がなかったのですが、そんな倉知淳が新作を2作品も発売してミステリ界を驚かせたのが、本作とその姉妹編No.524「なぎなた」

 まあ新作といっても、過去に雑誌に掲載してきた短編を集めた作品集で、書き下ろしすらないのですが、それでも寡作作家が2作同時刊行というのはやはりインパクトありますからね。

 ちなみにこの年には、同じく寡作として有名な麻耶雄嵩も2作品発表していまして、「本ミス」の“新作近況会”コーナーでも麻耶雄嵩がお互いに二冊出したことについてネタにしています。

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 というわけで本作は、「Aカップの男たち」「真犯人を探せ(仮題)」「さむらい探偵血風録 風雲立志編」「偏在」「どうぶつの森殺人(獣?)事件」「毒と饗宴の殺人」の短編6作から成る短編集です。

 「なぎなた」が真面目というか直球な本格ミステリが中心となっているのに対し、本作はユーモア溢れる変化球タイプの本格ミステリが収録されているという特徴があります。

 ユーモアミステリといえば、No.421「謎解きはディナーのあとで」東川篤哉の大ヒットの影響もあり2011年以降ブーム的な盛り上がりとなっていますが、本作はそれらコメディタイプのユーモアミステリというよりは、バカミスに近い感じですかね。

 まあとにかく脱力系のバカバカしい設定・演出・展開が込められた作品揃いとはいえ、そこはやはり倉知淳だけあって、本格ミステリを知り抜いたからこその遊びや捻りが絶妙に効いているので、まあタイプ的に万人向けではなさそうではあるものの、遊び心のあるミステリ作品が好きならば充分に堪能することが出来るでしょう。

 ちなみに、本作と「なぎなた」はノンシリーズの短編集なのですが、本作のラストに収録されている「毒と饗宴の殺人」のみはボーナストラックということで、“猫丸先輩シリーズ”の単行本未収録作品となっています。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度  : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度  : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★    気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “倉知淳” 関連記事 】

  > No.1002 「皇帝と拳銃と」
  > No.0856 「片桐大三郎とXYZの悲劇」
  > No.0524 「なぎなた」
  > No.0523 「こめぐら」


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