『ロートケプシェン、こっちにおいで』 相沢沙呼 > 「このミス」完全読破 No.519
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.519
『ロートケプシェン、こっちにおいで』 相沢沙呼
「このミス」2013年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2012.1.25 ~ 読終:2012.2.1
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2011年11月>
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鮎川哲也賞を受賞しデビュー作No.515「午前零時のサンドリヨン」に続く、“酉之初の事件簿シリーズ”の2作目です。
そして、相沢沙呼のデビュー2作目でもあります。
全体的な流れとしては前作から続いているものの、直接的な繋がりがあるというわけではないので、本作から読んでも楽しむことが出来るでしょう。
ただ、前作から引き続き登場する主人公の同級生や先輩がいるのですが、その数が結構多いため、前作を読んでいないとそれぞれのキャラクターや関係性を理解するのが難しいと思います。
それに、本作ならではの仕掛けをより堪能するためにも、前作から読むことを強くお薦めしますね。
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というわけで本作は、高校を舞台としてマジック(手品)が効果的役割を果たす、学園青春ミステリ作品です。
前作に続いて短編が並んだ連作集なのですが(その中の一遍「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」はアンソロジー作品「放課後探偵団」にも収録)、各話(章)の頭には本編とは違う語り手による話が付け加えられているので、前作とはまた違った構成となっていますね。
短編集として見た場合、学園内を中心とした日常の謎系ミステリと青春物語がマジックで見事に調理されていますし、そしてなにより、主人公二人の進みそうでなかなか進まない甘くて苦い純恋話を中心とした青春物語部分が、前作にも増して力が入っていて、読み応えもアップしていたように思います。
そして連作としては、イジメ問題というテーマが主人公の恋物語との対比もあってより重く感じられるのですが、それらが徐々に重ね合っていき、クライマックスでは衝撃な事実が判明するという、連作ならではの仕掛けが炸裂するのです。
ということで、前作と比べても趣向が凝らされているのですが、ただ本気で驚かされてしまうものの、その驚きに分かりにくさもあってスッキリ感に欠けますし、ミステリとマジックとの結びつきもそれほど印象に残らないので、そこら辺がもうちょっと上手くいっていれば傑作になっていたのではないかな~と思ってしまいましたねェ。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.519 「ロートケプシェン、こっちにおいで」
> No.515 「午前零時のサンドリヨン」
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