『午前零時のサンドリヨン』 相沢沙呼 > 「このミス」完全読破 No.515
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.515
『午前零時のサンドリヨン』 相沢沙呼
「このミス」2010年版 : 104位
受賞(候補) : 「鮎川哲也賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.12.27 ~ 読終:2011.12.29
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2009年10月>
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第19回鮎川哲也賞を受賞した、相沢沙呼のデビュー作です。
そして、2年後にシリーズ続編No.519「ロートケプシェン、こっちにおいで」が発売されたので、“酉之初の事件簿シリーズ”の1作目ということにもなりますね。
このシリーズは、主役の一人がマジシャンということもあり、作中でもいくつかのマジック(手品)が披露されるのですが、鮎川哲也賞の授賞式において、作者自身が作中に出てきたマジックを実際に演じてみせた、という面白いエピソードもあるようです。
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男子高校生・須川は、姉に無理やり連れて行かれたバーで、鮮やかにマジックを披露する少女と出会うことに。
その少女というのが実は、一人でいることを好む不思議な雰囲気の美人同級生・酉乃で、しかも須川が一目惚れした片想い中の相手。
これをきっかけにわずかながらも会話できるようになり喜ぶ須川でしたが、そのうちに校内で起きた事件や騒動に巻き込まれ、酉乃と共に謎の真相を追うことに.....。
というわけで本作は、高校を舞台とした連作形式の学園青春ミステリ作品です。
校内やクラスメイト間などで起きた事件・騒動が描かれていくので、学園ミステリの基本でもある日常の謎系ミステリなのですが、主人公の一人がマジシャンで、事件解決にマジックが効果的に使われているという設定が、本作の一番の魅力でありセールスポイントなのではないでしょうか。
そして、そんな設定が効果的に効いているにもかかわらず、それ以上の魅力として感じられてしまうのが、主人公2人による、微妙な距離感を保ちながら進んでいくなんとも初々しく甘くて苦味もあるラブコメ的青春恋愛物語なのですね。
まあ、ミステリ部分やストーリー部分など、これは巻末にも掲載されている選評を読んだからというわけではないのですが、どことなく同型ジャンル作品の定番をなぞるというか、上手く出来すぎているため逆に作者の狙いが透けて見るように感じられたりもして、少々もったいなく思いました。
たた、これがデビュー作だということを考えれば、これからそこらへんがこなれていくことで素晴らしい学園青春ミステリ作家となっていきそうな期待感も大きかったですね。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.519 「ロートケプシェン、こっちにおいで」
> No.515 「午前零時のサンドリヨン」
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