『或るろくでなしの死』 平山夢明 > 「このミス」完全読破 No.513
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.513
『或るろくでなしの死』 平山夢明
「このミス」2013年版 : 18位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.12.22 ~ 読終:2011.12.25
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2011年12月>
或るろくでなしの死 (角川ホラー文庫) 平山 夢明 KADOKAWA/角川書店 2014-10-25 売り上げランキング : 70148 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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日本冒険小説協会大賞&大藪春彦賞をダブル受賞したNo.441「ダイナー」以来2年ぶりとなる、平山夢明の新作です。
平山夢明といえば、「このミス」の“私の隠し玉”コーナーにて、「ダイナー」がランクインした2010年版(2009年末発売)では「ボリビアの猿」「クレイジーズ」「頭医者首里」「びきまん」「鳥肌口碑2」を、2011年版(2010年末発売)では「或るろくでなしの死」「シエスターズ」「ボリビアの猿」「びきまん」を、近々発売される新作として名前を挙げていたのですよね。
しかし、執筆作業が思うように進まなかったのか、結果的には新作の発表が2年も空いてしまったわけですが、果たして本作を機に新作が続々と発売されていくのか、それともやはり次の新作が発売されるまで間が空いてしまうのか見守るのも、今後の楽しみの一つとなりそうです。
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そんなわけで本作ですが、「或るはぐれ者の死」「或る嫌われ者の死」「或るごくつぶしの死」「或る愛情の死」「或るろくでなしの死」「或る英雄の死」「或るからっぽの死」という7つの短編が収録された短編集です。
各短編のタイトルがパターン化されているものの、作品に繋がりのある連作集というわけではなく、それぞれ全く別の話となっているのですが、それでも“様々な意味における「死(=破壊)」を描いている”という共通テーマはありますね。
やはり平山作品らしくホラーサスペンス的な雰囲気の話揃いとはいえ、平山作品の特徴でもある人体破壊的なグロテスク鬼畜描写は控えめで、どちらかというと精神的な面においての狂気や残酷さが描かれていく感じです。
なので、同じ短編集でもNo.47「独白するユニバーサル横メルカトル」とはまた方向性の違ったホラー作品となっているのですが、それでも残酷で鬼畜な物語なのにどことなく崇高さや美しさが感じられるという魅力は共通していましたし、不条理さが溢れる内容に落ち着かない読後感が残るところなど本作ならではの魅力も堪能できると思います。
ただ、人体拷問的な残虐場面は、書き下ろしの2作品には登場しまして、心の目まで覆いたくなるくらいに凄まじく残酷非道な描写が出てくるので、そっち系の鬼畜要素を期待している人も満足できるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.047 「独白するユニバーサル横メルカトル」
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