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2011年11月22日 (火)

『五色沼黄緑館藍紫館多重殺人』 倉阪鬼一郎 > 「このミス」完全読破 No.502

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.502

 『五色沼黄緑館藍紫館多重殺人』 倉阪鬼一郎

   「このミス」2012年版 : 48位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 13位

   読始:2011.11.12 ~ 読終:2011.11.13

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2011年9月>

五色沼黄緑館藍紫館多重殺人 (講談社ノベルス)五色沼黄緑館藍紫館多重殺人 (講談社ノベルス)
倉阪 鬼一郎

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 今や年に一度の恒例行事と化した感のある、倉阪鬼一郎のバカミス作品です。

 2007年のNo.616「四神金赤館銀青館不可能殺人」を始めとして、「紙の碑に泪を 上小野田警部の退屈な事件」、No.391「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」No.394「新世界崩壊」、そして本作と、これで5年連続での講談社ノベルスからの刊行となりますが、奇数年が「○○××館△△館□□殺人」というタイトル、偶数年が“上小野田警部シリーズ”ということでパターン化されていくのでしょうかね。

 ちなみに、“倉阪鬼一郎のバカミスシリーズ”といっても、直接的な繋がりがあるわけではないので、どの作品から読んでも問題ありません。

 ただやっぱり、“第三回世界バカミス☆アワード”を受賞した「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」から読んでみるのがお薦めでしょうか。

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 というわけで本作は、タイトルの通りに、福島県の観光名所・五色沼の近くに建てられた二つの館が舞台となります。

 この奇怪な場所で奇怪な連続殺人事件が起きるわけですが、ページが半分も行かないうちに解決編が始まってしまうところにも、バカミスらしさが大いに感じられます。

 その後は、事件の真相が明らかにされ、その真相に至るヒントが作中に隠されていたことも明かされていくという、前2作と同じようなパターンとなっているのです。

 なので、前2作のいずれも、またはいずれかを読んでいる人ならば、文中に隠された伏線や真相を探りながら読んでしまうと、解決編の前にそのいくつかを見つけることが出来てしまうと思うので、そんなネタ探しを楽しみたいというのでなければ、なるべく仕掛けを気にしたり探したりせずに解決編まで読んでしまうことをお薦めしますね。

 そんなわけで、トリック的には少なくとも前2作の改良バージョン的な感じなので、マンネリを感じないこともなかったですが、それでも作者の生半可ない努力と苦労が感じられる仕掛けにも、その結果として生み出された呆れるばかりのバカバカしさにも、やはり感動と感銘と感嘆とを受けずにはいられませんでした。

 ただ本作は、ラストを飾るエピローグがとんでもない凄まじさでして、この先に何かが待ち受けているのが感じられてドキドキしながら読んでいくと、最終ページにてとてつもない衝撃と笑撃が待ち受けているのです。

 しかも、最終ページのさらに先の意外な場所に大オチが仕掛けられているので、もうこのエピローグ以降の展開には、いまだに思い出すだけでニヤニヤしてしまいますからね。

 まあ、あくまでバカミスなので、多くの人が楽しむことのできる作品ではないのですが、バカミス好きの人にお薦めなのはもちろん、バカミスが何なのかさえ知らない人にも、暇つぶし程度の心構えでもいいので、この作者のバカミス愛&狂気がこれでもかと感じられる本作を味わってみてほしいな~と思ってしまいます。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆


   本格ミステリ度  : ★★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度  : ★★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★          感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★    気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “倉阪鬼一郎” 関連記事 】

  > No.616 「四神金赤館銀青館不可能殺人」

  > No.592 「不可能楽園〈蒼色館〉」
  > No.502 「五色沼黄緑館藍紫館多重殺人」
  > No.394 「新世界崩壊」
  > No.391 「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」
  > No.192 「遠い旋律、草原の光」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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