『ファミリー・レストラン』 東山彰良 > 「このミス」完全読破 No.496
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.496
『ファミリー・レストラン』 東山彰良
「このミス」2012年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.10.28 ~ 読終:2011.10.28
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2011年8月>
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あるホステスが、常連客である金持ち整形外科医に連れられて訪れたのが、人里離れた山の中にある、スペイン料理レストラン。
甘い言葉をささやき合ったり、隣の席の老人夫婦と会話を楽しんだりしながら料理を待つも、そんな雰囲気は新たなる客の登場により一変。
その新たなる客は、自分を呼びだした人物を気が狂ったように探しまわり、その行動から何かを察したのか、マスターが謎の言葉を残しつつ自ら首を切って息絶え、残った客たちは生死を賭けた究極の選択を迫られることに.....。
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というわけで、いわゆるデスゲーム小説です。
このジャンルは、大物ミステリ作家からケータイ小説まで、様々な媒体で多くの作品が発表されているわけですが、やはりNo.176「ジョニー・ザ・ラビット」など東山彰良の近作を読んだ人なら想像出来るように、典型的なデスゲーム小説には仕上がってはいませんでした。
一応、基本の筋としては、このレストランに閉じ込められた客たちが生命を賭けた究極の選択を迫られ追いつめられていく様子が展開されていくものの、どちらかといえばそういったゲーム性・サスペンス性よりも、登場人物たちの観念や思考など内面的な部分が中心となっているのです。
しかもそれが、言葉自体は難しくないのに、哲学的とも思えてしまうほどに難解な文章や構成で描かれていくので、かなり人を選ぶ作風ですし、合わない人には“なにが面白いのかさっぱりわからない”という感想を持たれてしまいそうな内容なのですね。
その反対に、こんな作風が合う人には、身体の内側を侵していくかのような刺激や読む人を突き放すかのような文章などしびれるくらいに楽しめると思うし、ミステリ的な仕掛けもあるので、「ジョニー・ザ・ラビット」やNo.283「ライフ・ゴーズ・オン」が面白かったという人ならば、本作も充分に堪能できるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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