「このミス2012年版」投票者なりきりベスト6
*「このミステリーがすごい!」では、1990年より翌年度表記に変更(つまり、満年齢から数え年に変更)しているので、この“2012年版”は、2011年(2010年11月~2011年10月)に発売された作品が対象となっています。
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「このミステリーがすごい!2012年版」ランキング(順位)予想に引き続き、これまた4年目の企画となりますが、“投票者なりきりベスト6”を書いてみたいと思います。
「このミス」では、70人を超える読書家(評論家など)の投票を集計し、その結果をもとにその年のランキングが作られます。
もう少し詳しく説明すると、投票者は1人につき6作品に投票することができ、その6作品を1位から6位まで順位付けすることで、1位に10点、2位に9点.....、といった具合にそれぞれ点数が付けられます。全投票者が投じた得点を合計し、その結果がランキングとして発表されるというわけですね。
そんな「このミス」投票者になったつもりで自分も6作品選んでみようという企画なのですが、例年なら面白かった順に並べれば良かったものの、今年は“面白かった作品=「このミス」で票を入れたいと思う作品”とは全くなっていないのです。
まあ、実際に投票するわけではないのだから、単純に面白かった順に並べればいいわけですが、ただ一応“投票者なりきり”と題した企画なので、1~6位は“「このミス」で票を入れたいと思う作品”、そして7位以下は面白かった順に並べることにしました。
ただ、6作品だけを紹介するのも、他にも面白かった作品がいくつもあったこともあって寂しいので、今回は昨年よりは少なくなりましたが、30位からカウントダウン形式で発表していこうと思います(説明を加えているのは上位の6作品のみ)。
なお、読後すぐに感じた面白さを表した★評価とはリンクしていないランキングとなっているので、その点ご了承ください。
ちなみに、この記事を書いている時点で読み終えていた、2012年版対象の75作品については、ここに書くとなるとかなりの長さになってしまうので、「このミス2012年版」上半期のランクイン候補作品および「このミス2012年版」下半期のランクイン候補作品にてご確認ください(読んだ時期の関係で“下半期のランクイン候補作品”に入れることが出来なかった「五色沼黄緑館藍紫館多重殺人」倉阪鬼一郎、「真夜中の探偵」有栖川有栖、「心に雹の降りしきる」香納諒一の3作品も、この記事では対象となっています)。
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* 作品名部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです
30位 : ARAKURE あらくれ
/ 矢作俊彦・司城志朗 <感想記事はこちら>
29位 : 長い廊下がある家
/ 有栖川有栖 <感想記事はこちら>
28位 : 郭公の盤
/ 牧野修+田中啓文 <感想記事はこちら>
27位 : 花の鎖
/ 湊かなえ <感想記事はこちら>
26位 : 麒麟の翼
/ 東野圭吾 <感想記事はこちら>
25位 : 獅子真鍮の虫
/ 田中啓文 <感想記事はこちら>
24位 : 開かせていただき光栄です
/ 皆川博子 <感想記事はこちら>
23位 : マルドゥック・フラグメンツ
/ 冲方丁 <感想記事はこちら>
22位 : 爛れた闇の帝国
/ 飴村行 <感想記事はこちら>
21位 : 命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇'75
/ 古野まほろ <感想記事はこちら>
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20位 : 追悼者
/ 折原一 <感想記事はこちら>
19位 : 転迷 隠蔽捜査4
/ 今野敏 <感想記事はこちら>
18位 : ユリゴコロ
/ 沼田まほかる <感想記事はこちら>
17位 : ファミリー・レストラン
/ 東山彰良 <感想記事はこちら>
16位 : 刑事のまなざし
/ 薬丸岳 <感想記事はこちら>
15位 : 生霊の如き重るもの
/ 三津田信三 <感想記事はこちら>
14位 : カササギたちの四季
/ 道尾秀介 <感想記事はこちら>
13位 : ジェノサイド
/ 高野和明 <感想記事はこちら>
12位 : 警官の条件
/ 佐々木譲 <感想記事はこちら>
11位 : 水の柩
/ 道尾秀介 <感想記事はこちら>
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10位 : オーダーメイド殺人クラブ
/ 辻村深月 <感想記事はこちら>
09位 : 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
/ 奥泉光 <感想記事はこちら>
08位 : 心に雹の降りしきる
/ 香納諒一 <感想記事はこちら>
07位 : メルカトルかく語りき
/ 麻耶雄嵩 <感想記事はこちら>
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【 6位 : 烏丸ルヴォワール / 円居挽 】
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昨年11位のNo.288「丸太町ルヴォワール」の続編ですが、前作のインパクトには及ばないものの、前作とはまた違った驚きの仕掛けが面白かったですし、青臭くもあるドラマ部分も素直に楽しめましたね。
この作品の感想記事はこちら!!
>> No.495 『烏丸ルヴォワール』 円居挽
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【 5位 : 人間の尊厳と八〇〇メートル / 深水黎一郎 】
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地味な印象のある短編集で、読んでいる間もそれほど“面白い!”って感じにはならなかったものの、読後に心地良い余韻というか、“なんか凄かったな~”って心に染み入る感じがずっと残る作品揃いだったので、自分が好きになる作品としては珍しいタイプでした。
この作品の感想記事はこちら!!
>> No.488 『人間の尊厳と八〇〇メートル』 深水黎一郎
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【 4位 : 絆回廊 新宿鮫Ⅹ / 大沢在昌 】
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“新宿鮫シリーズ”を読み始めたのが前作が発売された後だったこともあり、この記念すべき10作目をリアルタイムで読めたことだけでも感慨深かったのに、これまでのシリーズを総括する内容でありながら新たな領域に突入するかのような作品だったので、もう読んでいて圧倒されっぱなしでした。
この作品の感想記事はこちら!!
>> No.456 『絆回廊 新宿鮫Ⅹ』 大沢在昌
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【 3位 : 機龍警察 自爆条項 / 月村了衛 】
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前作No.390「機龍警察」から圧倒的にパワーアップした内容には驚かされましたし、特に海外クライムサスペンス小説を思わすようなパートが迫力満点でしたからね。
この作品の感想記事はこちら!!
>> No.492 『機龍警察 自爆条項』 月村了衛
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【 2位 : 折れた竜骨 / 米澤穂信 】
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最初に読んだ“「このミス」2012年版”対象作品でしたが、本作を超えるような作品はこの記事を書く1週間前まで現れませんでしたからね。
“魔法と剣”のファンタジー世界と本格ミステリとの融合具合がかなりの面白さでしたし、本格ミステリとしてもエンタメ作品としても読み応え満点でした。
この作品の感想記事はこちら!!
>> No.402 『折れた竜骨』 米澤穂信
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【 1位 : 五色沼黄緑館藍紫館多重殺人 / 倉阪鬼一郎 】
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2012年版対象作品の個人的1位は確定だと早い段階から思っていた「折れた竜骨」を、最後の最後で上回ってしまったのが、自分でも驚きのこのバカミス作品です。
トリック的には一昨年のNo.391「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」、昨年のNo.394「新世界崩壊」と同じパターンでしたが、やはりこのバカミスにかける執念と狂気には頭が下がる思いになってしまいます。
それに本作は、エピローグからラスト1ページにおける衝撃&笑撃の展開が凄まじく、もうニヤニヤが止まらなくなってしまいましたし、さらにそこから先のまさかの場所に大落ちが仕掛けられているという遊び心には、感動と作者に対する感謝の気持ちが自然と湧き上がってしまったほどですからね。
この作品の感想記事はこちら!!
>> No.502 『五色沼黄緑館藍紫館多重殺人』 倉阪鬼一郎
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