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2011年10月 2日 (日)

『生霊の如き重るもの』 三津田信三 > 「このミス」完全読破 No.487

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.487

 『生霊の如き重るもの』 三津田信三

   「このミス」2012年版 : 66位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 15位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2011.9.29 ~ 読終:2011.9.30

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2011年7月>

生霊の如き重るもの (講談社文庫)生霊の如き重るもの (講談社文庫)
三津田 信三

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 「厭魅の如き憑くもの」、「凶鳥の如き忌むもの」、No.55「首無の如き祟るもの」No.102「山魔の如き嗤うもの」No.255「密室の如き籠るもの」No.291「水魑の如き沈むもの」に続く、“刀城言耶シリーズ”の7作目です。

 そして、シリーズの中短編集としては、「密室~」に続いて2作目となりますね。

 その「密室~」は、このシリーズの長編作品の世界観をそのまま中短編に仕上げた作品集、といった感じでしたが、本作の場合は少々違って、主人公である刀城言耶がまだ大学生だった時代の話を集めた、ある意味番外編的な作品集となっているのです。

 なお、このシリーズ自体に対しても言えることですが、それぞれの作品に繋がりはないことはないけれど、過去の作品を読んでいないと理解しにくい、ということはほとんどないと思うので、本作から読んでも問題ないでしょう。

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 というわけで本作は、表題作「生霊(いきだま)の如き重(だぶ)るもの」の他に、「死霊の如き歩くもの」「天魔の如き跳ぶもの」「屍蠟の如き滴るもの」「顔無の如き攫うもの」という、計5つの中短編が収録されています。

 学生である言耶が、大学の恩師からの紹介や先輩からの依頼を受け、奇怪な事件の話を聞いたり実際に巻き込まれたりしていくのですが、言耶が若いとはいえ、土俗的ホラーな雰囲気の漂う作中の空気感や、おどろおどろしさの溢れる事件・エピソードなど、長編作品でみられた魅力はもちろんそのまま。

 そして長編作品の定番というか一番の読み所といえば、終盤におけるドミノ倒しのように何度もたたみ掛けてくる謎解き場面にあると思うのですが、今回は中短編とはいえそんな二転三転する謎解きのある作品もあるので、中短編集だからといって長編の時の面白さが激減しているということはないでしょう。

 それに、元気ハツラツとしている若き言耶と中短編という作品の分量がとても相性良く感じらますし、視覚的インパクトのあるトリックも中短編向きだったと思うので、前回の中短編集「密室~」と比べても、このシリーズだからこその魅力や中短編集だからこその魅力が、存分に出ていたように感じました。

 ちなみに、本作の収録作は、事件自体は繋がっていないけれどストーリー的には橋渡し形式になっているので、連作集の趣きがあるのですが、これによって物語な広がりが作られる以上に、言耶の先輩である阿武隈川烏のとんでもないキャラクターが実感できていくところが、なんとも面白かったですね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “三津田信三” 関連記事 】

  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.534 「幽女の如き怨むもの」

  > No.487 「生霊の如き重るもの」
  > No.291 「水魑の如き沈むもの」
  > No.255 「密室の如き籠るもの」
  > No.102 「山魔の如き嗤うもの」
  > No.055 「首無の如き祟るもの」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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