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2011年10月11日 (火)

『ダブル』 深町秋生 > 「このミス」完全読破 No.462

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.462

 『ダブル』 深町秋生

   「このミス」2011年版 : 14位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2011.7.4 ~ 読終:2011.7.5

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2010年9月>

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深町 秋生

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 深町秋生は、“「このミス」大賞”出身の作家です。

 “「このミス」大賞”とは「このミス」のランキングで1位になった作品のことだ、と勘違いしている人も結構いるようなので、改めて説明しますと、“「このミス」大賞(「このミステリーがすごい!」大賞)”とは、デビュー前の新人を対象に公募した新人賞のことなのですね。

 深町秋生は、その“「このミス」大賞”を2004年に「果てしなき渇き」で受賞しデビューしたわけですが、この受賞作はもちろん、その後の「ヒステリック・サバイバー」「東京デッドクルージング」も、「このミス」の発行元である宝島社から発表されています。

 なお、「このミス」のランキングの方は、公平を期すために宝島社の作品は対象外となるため、これまでの深町作品は例えどんなに内容が良かったとしてもランクインすることはなかったのですが、初の宝島社以外からの刊行作品=初の「このミス」ランキング対象作品である本作にて、いきなりの「このミス」初ランクインとなったわけなのです。

 ちなみに、“「このミス」大賞”出身作家の「このミス」ランクインは、東山彰良(No.176「ジョニー・ザ・ラビット」で2010年版13位)に次いで2人目。

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 主人公は、新型ドラッグの密売組織に所属する男。

 中堅幹部として活躍していたのですが、主人公同様にこの組織に所属している実の弟が、商売品(ドラッグ)に手を出すという組織の掟を破る行為を行っていて、これが組織にばれてしまったことから、主人公の身にも危険が迫ってくるのです。

 この組織というのが、類稀なるカリスマ性で組織を束ねる会長を始めとして、そのメンバーに至るまでなかなかのキャラクター揃いでして、いわゆるヤクザとは少々違う新鋭マフィア的な組織の内実がじっくりと描かれていくため、組織小説的な魅力もありました。

 ただ、香港黒社会映画にインスパイアされて書かれたというだけあって、全編に渡って激しいアクションシーンが繰り広げられていて、エンタメクライムノベルともいうべき物語が息も尽かせぬほどに駆け巡るのですけどね。

 そしてその内容というのが、復讐に裏切りに友情に下剋上にと、読んでいて熱くさせらてしまう様々な要素が散りばめられていますし、謎を強調するミステリ的な展開でストーリーを盛り上げますし、エグすぎる拷問シーンが登場するなど、まさに「このミス」に好まれる素材がこれでもかと詰め込まれているのです。

 特に、主人公が大きな変化を遂げる中盤以降は、これらの素材を大放出しながら物語が怒涛のごとくなだれ込んでいくので、アクション系クライムノベル好きの人ならばのめり込むように楽しむことができるに違いありません。

 ただ、この“大きな変化”の内容を知らずに読んだ方がより楽しめると思うので、別にネタバレというわけではありませんが、帯やネット等であらすじなどを見せずに本作を読んでしまうことをお薦めします。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★★★★  主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.881 「バッドカンパニー」

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  > No.462 「ダブル」


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