『進々堂世界一周 追憶のカシュガル(御手洗潔と進々堂珈琲)』 島田荘司 > 「このミス」完全読破 No.461
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.461
『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』 島田荘司
* 文庫化の際に『御手洗潔と進々堂珈琲』に改題
「このミス」2012年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.6.25 ~ 読終:2011.6.28
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2011年4月>
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デビュー作の「占星術殺人事件」や「斜め屋敷の犯罪」を始めとして、数多くの傑作を生み出している代表的なシリーズ、“御手洗潔シリーズ”の最新作です。
このシリーズ作品としては、「リベルタスの寓話」以来4年ぶりと久々の発表になるのですが、ただ本作は、シリーズ作品としては番外編的な位置付けといえるのかもしれません。
というのも、本作は連作に近い短編集で、しかも主人公の御手洗潔が学生だった頃のエピソードとなっているからなのです。
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というわけで本作は、「進々堂ブレンド1974」「シェフィールドの奇跡」「戻り橋と悲願花」「追憶のカシュガル」という4つの短編から成っています。
最初の「進々堂ブレンド1974」だけは、大学生である御手洗と予備校生のサトルとの出会いを描いた作品ですが、それ以降の3篇は、御手洗が語り手、サトルが聞き手となり、御手洗が外国の地で見聞きしてきた話が語られていく、という形式に。
その内容は、社会的弱者の側から見た物語という共通点がありまして、そういったテーマなのでもちろん重く哀しく深みのある作風なのですが、やはり社会派作家ということもあって、読み応えはかなりのものでした。
ただ本作は、帯には“ミステリー”という文字が書かれているものの、ミステリ要素はほとんどといっていいほどなくて、読んでいる最中も読後も、ミステリ小説というよりも一般小説を読んでいる感じになるでしょう。
そのため、御手洗が語り手でなくてもいいのでは?と思ってしまう人も多くいるくらいなので、“御手洗シリーズ”だからといってガッツリとした本格ミステリを期待してしまうと、かなりガッカリしてしまうと思うし、そういう期待で読んでしまうと本作の魅力を充分に味わうことが出来なくなってしまうので、読む際にはご注意を。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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