『ユリゴコロ』 沼田まほかる > 「このミス」完全読破 No.460
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.460
『ユリゴコロ』 沼田まほかる
「このミス」2012年版 : 5位
受賞(候補) : 「大藪春彦賞」受賞
(「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 6位
「本屋大賞」 6位
「ミステリが読みたい!」 9位
読始:2011.6.23 ~ 読終:2011.6.24
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2011年3月>
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主人公は、不幸の連鎖の中に身を置く青年。
というのも、婚約者を家族に紹介するという幸せの絶頂にいたものの、その婚約者が謎の失踪を遂げたのをきっかけとして、父親が末期癌であることが判明し、その直後には母親が交通事故死するなど、家族に不幸が立て続けに起きたのです。
そんな主人公が、実家の押入れから謎の手記を見つけ出したことから、物語は動き出していきます。
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前半はこの謎の手記が中心となって進んでいくのですが、誰の書いたものかわからない、でも実家の押入れにしまわれていたことから赤の他人が書いたのではないだろうこの手記の内容というのが、書き手が次々に殺人を犯していくという、とんでもない告白だったのです。
その描写というのが、かなりのおぞましさと強烈な狂気とでおどろおどろしく綴られているのですが、それでもぐいぐいと惹きつけられて先を読まずにいられなくなるので、さすがはホラーサスペンス大賞を受賞してデビューしただけあるな、ってくらいに魅力的な仕上がりでしたね。
この手記だけでも充分面白いのですが、後半からは、手記を読んだことで自分自身の真実を知ることになり、精神面で大きく変化を遂げた主人公の、サスペンス的な物語となっていきます。
この後半部分も、手記の流れを受けた展開や、現在の主人公が抱える問題など、様々な要素が複雑に絡み合っていくものの、最後には見事なまでに収束され、衝撃の真相が明らかになったりもするので、その様はまるで道尾ミステリのような鮮やかさでした。
というわけで、ホラーサスペンスでありながらミステリ的にも読み応えがありますし、イヤミス的な内容なのに前向きな面白さもあり、しかもスッキリする読後感、だけどよくよく考えてみると結構ホラーな終わり方だな~と気付いたりするなど、読み手によって違った楽しみ所を見つけられそうだし、全体を通してみても多くの魅力を味わうことのできる作品だと思います。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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