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2011年9月20日 (火)

『人面屋敷の惨劇』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.484

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.484

 『人面屋敷の惨劇』 石持浅海

   「このミス」2012年版 : 105位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 18位

   読始:2011.9.20 ~ 読終:2011.9.20

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2011年8月>

人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)
石持 浅海

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 石持浅海といえば、サスペンスタイプのミステリ作品がほとんどでしたが、本作は本格ミステリの定番ともいうべき“館もの”に挑戦しています。

 ただ、本書カバーの折り返し部分や雑誌のインタビューなどによると、“館もの”はあえて書かないようにしていたのだそうです。

 というのも、No.284「十角館の殺人」を始めとした“館もの”の傑作を数多く生み出している綾辻行人に関する文章で、『綾辻館を超えるアイデアを思いつくまで、自分に「館もの禁止令」を出すことになった』と書いたことが原因とのことなのです。

 そして本作にてとうとう“禁止令”が解除されたわけですが、ただ読んでみた感じでは、“綾辻館を超えるアイデア”を思いついたからというよりは、単にこだわりがなくなったからなのではないでしょうかね。

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 そんなわけで本作の館は、塀についた汚れが人面に見える“人面館(人面屋敷)”。

 この屋敷に集まってきたのが、10年前に起きた連続幼児誘拐事件で我が子を失った親たち。

 屋敷の主人には、この事件の犯人と疑われていた過去があったことから、被害者の親たちはこの屋敷に乗り込んできたわけですが、やはりそこで殺人事件が起こってしまうのです.....。

 というわけで、いかにも“館もの”のような導入から始まる物語なのですが、殺人事件はそこまで謎めいていたり奇怪だったりはしないし、驚愕すべきトリックもないし、特殊な構造をした館でもありません。

 その一方で、論理の積み重ねによる推理や、倫理観の歪みが感じられる登場人物の行動など、石持作品の特徴は相も変わらずに全開なので、石持色のかなり強い“石持版館もの”となっているのですね。

 なので、これまでの石持作品における論理・狂気・倫理観の歪みなどの部分に引っかかることなく楽しむことができたならば、本作にもかなりの満足感を得ることができるだろうし、そういった部分を苦手に思っていたならば、本作を読んでも同じような感想になるのではないでしょうか(自分は前者でした)。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “石持浅海” 関連記事 】

  > No.869 「罪人よやすらかに眠れ」
  > No.755 「二歩前を歩く」
  > No.687 「三階に止まる」
  > No.634 「フライ・バイ・ワイヤ」

  > No.558 「トラップ・ハウス」
  > No.544 「玩具店の英雄 座間味くんの推理」
  > No.509 「彼女が追ってくる」
  > No.484 「人面屋敷の惨劇」
  > No.465 「ブック・ジャングル」

  > No.389 「撹乱者」
  > No.383 「見えない復讐」
  > No.350 「この国。」
  > No.297 「リスの窒息」
  > No.293 「君がいなくても平気」

  > No.112 「耳をふさいで夜を走る」
  > No.091 「君の望む死に方」
  > No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
  > No.070 「月の扉」
  > No.037 「扉は閉ざされたまま」


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