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2011年9月14日 (水)

『開かせていただき光栄です -DILATED TO MEET YOU-』 皆川博子 > 「このミス」完全読破 No.480

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.480

 『開かせていただき光栄です ―DILATED TO MEET YOU―』 皆川博子

   「このミス」2012年版 : 3位

   受賞(候補) : 「本格ミステリ大賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 3位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 3位
              「ミステリが読みたい!」 3位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:11.9.6 ~ 読終:11.9.11

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 (2011年7月)

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
皆川 博子

早川書房 2013-09-05
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 皆川博子は、すでに80歳を超えていて、デビューしてからも40年近く経つという、超ベテラン作家です。

 「このミス」の“私の隠し玉”コーナーでは、「そのころ、私はまだ生きているだろうか…」「それまで体力がもつかどうか…」など、自虐的なコメントを毎年のように書いているのですが、やはり80歳を超えたとなると本気で心配してしまうので、本当に体には気を付けて執筆活動を続けてほしいものです。

 ちなみに、昨年(2010年)には雑誌連載を3本も同時に持つなど、年齢のことを言うのは失礼なくらい精力的な活動を現在も続けているのですけどね。

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 それで本作ですが、舞台となるのは、当時まだ医療のための解剖など異端扱いだった、18世紀のロンドン。

 解剖医とその弟子たちの前に、四肢を切断された少年と顔を潰された男の屍体が突如として現れたところから、この奇怪な連続殺人事件の物語は始まっていきます。

 欧州の古典ミステリ作品を思わすような舞台設定からして、「このミス1998年版」の2位にランクインし吉川英治文学賞を受賞したNo.07「死の泉」が思い浮かびますが、やはり本作も皆川作品らしい耽美的で妖艶的なゴシックミステリに仕上がっていましたね。

 ただ、圧倒されるような重厚さや濃密さが感じられた「死の泉」と比べると、本作の場合は、登場人物のキャラクターやそのやり取りなどがとても軽快ですし、そこまで強烈におどろおどろしかったりするわけではないので、本作の方が多くの方に好まれそうな感じもします。

 とはいえ、やはりゴシック的な雰囲気の作品はどうしても人を選ぶところがあると思うので、そういった作風がダメな人も多くいるかも。

 逆に、そんな作風も全然オッケーという人ならば、作品雰囲気と絶妙に絡み合うようなミステリ的展開が次々と巻き起こる、日本人では皆川博子にしか書けないのではないかと思われるほどの作品世界に、どっぷりと心地良く浸かることができるのではないでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “皆川博子”関連記事 】

  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.776 「影を買う店」
  > No.723 「アルモニカ・ディアボリカ」

  > No.692 「海賊女王」
  > No.547 「双頭のバビロン」
  > No.480 「開かせていただき光栄です」
  > No.137 「倒立する塔の殺人」
  > No.007 「死の泉」


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