『マスカレード・ホテル』 東野圭吾 > 「このミス」完全読破 No.479
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.479
『マスカレード・ホテル』 東野圭吾
「このミス」2014年版 : 22位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(文庫ランキング) 1位
「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
「ミステリが読みたい!」 20位
「本格ミステリ・ベスト10」 29位
読始:2011.9.9 ~ 読終:2011.9.9
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 (2011年9月)
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今年(2011年)は、東野圭吾の作家生活25周年ということで、3社合同企画として特別刊行が行われています。
その第1弾が講談社から発売されたNo.437「麒麟の翼」で、第2弾が文藝春秋が発売されたNo.457「真夏の方程式」。
そしてラストを飾る第3弾が、集英社から発売された本作なのです。
ちなみに、第1弾は“加賀恭一郎シリーズ”、第2弾が“探偵ガレリオシリーズ”と、いずれも超人気シリーズの最新作でしたが、本作のみシリーズものではない作品となっています。
ただ、本作についての紹介文(「加賀恭一郎、湯川学に続く、第三の男」 「ニューヒーロー登場!!」など)を見ると、今後シリーズ化される可能性も大いにあるのでしょうね。
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都内で起きた連続殺人事件は、犯人が残したメッセージから、次の犯行現場のみ判明。
その場所というのが超一流ホテルでして、容疑者も次の被害者候補もわかっていないこともあり、刑事がホテルマンに扮して潜入捜査を行うことに.....。
東野圭吾は、高校野球(No.266「魔球」)、スキージャンプ(No.418「鳥人計画」)など、捜査サスペンスとは一見結びつかないような題材を捜査サスペンスと融合させて傑作を生み出していますが、本作は捜査サスペンスとホテルとを融合させています。
主人公は、切れ者の刑事であるものの、潜入捜査のためにフロント係(フロントクラーク)に成り済ますわけですが、客に対しては本物のホテルマンと変わらないように見せないといけないため、捜査状況を気にしつつも、ホテルマンという畑違いの仕事に悪戦苦闘しなければならないのです。
緊迫する捜査サスペンスの場面と並行して、そんな主人公の成長物語やホテルを舞台にした人間ドラマが連作のように繰り広げられるのですが、捜査サスペンスとホテルマンドラマという二つの題材が相乗効果を生み出しより面白くなっていたので、そういったテクニックはさすがの上手さでしたね。
これまで「このミス」の上位に入った作品のような“感情を揺り動かされる人間ドラマ”というよりは、ワクワクと楽しく読むことが出来るエンタメ作品といったタイプだったとはいえ、捜査サスペンスにしてもホテルを舞台にしたドラマにしても、それぞれが全く違うタイプの魅力を輝かせているのに、通して読むと見事な融合具合で一つの大きな魅力となっていたように感じました。
そしてミステリ的にも、驚愕とまではいかないけれど、真犯人の正体やそこに至るまでの組み立てなど正統派と見せかけながらも捻りが加えられているので、大作感はそれほどないものの、ラストまで一気に読まずにはいられませんでしたね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.1079 「希望の糸」
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> No.0784 「マスカレード・イブ」
> No.0757 「虚ろな十字架」
> No.0720 「疾風ロンド」
> No.0690 「祈りの幕が下りる時」
> No.0655 「夢幻花」
> No.0598 「禁断の魔術 ガリレオ8」
> No.0580 「虚像の道化師 ガリレオ 7」
> No.0537 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
> No.0526 「歪笑小説」
> No.0479 「マスカレード・ホテル」
> No.0457 「真夏の方程式」
> No.0437 「麒麟の翼」
> No.0418 「鳥人計画」
> No.0377 「白銀ジャック」
> No.0342 「プラチナデータ」
> No.0285 「カッコウの卵は誰のもの」
> No.0266 「魔球」
> No.0236 「新参者」
> No.0184 「パラドックス13」
> No.0130 「聖女の救済」
> No.0085 「流星の絆」
> No.0053 「赤い指」
> No.0045 「容疑者Xの献身」
> No.0022 「超・殺人事件」
> No.0010 「秘密」
> No.0006 「名探偵の掟」
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