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2011年8月 8日 (月)

『鍵のかかった部屋』 貴志祐介 > 「このミス」完全読破 No.469

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.469

 『鍵のかかった部屋』 貴志祐介

   「このミス」2012年版 : 17位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 5位
              「ミステリが読みたい!」 6位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 19位

   読始:2011.8.2 ~ 読終:2011.8.3

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2011年7月>

鍵のかかった部屋 (角川文庫)鍵のかかった部屋 (角川文庫)
貴志 祐介

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 No.466「硝子のハンマー」 「狐火の家」に続く、“防犯探偵・榎本シリーズ”の3作目です。

 ちなみに、シリーズ短編集としては「狐火の家」に続いて2作目となりますね。

 このシリーズは、ホラーやSFなどの作品を多く書いている貴志祐介にしては珍しく、ド直球な本格ミステリに挑んでいまして、本格ミステリの中でもタイトルからも推測できるように“密室”にこだわり抜いたシリーズです。

 そんなこともあり、貴志祐介のほとんどの作品をめちゃくちゃ愛好していたとしても、このシリーズだけはちょっと苦手.....、という人も結構いるのではないでしょうか(その逆もまた然り)。

 なお本作には、“ネタバレとは言えないだろうけど広く見ればネタバレともいえるかも?”といった、前2作に出てきた犯行の一部分に言及した会話がなされるので、シリーズ1作目から順番に読むことをお薦めしますが、でもまあいずれも重要な部分ではないので、本作から読んでもそれほど問題はないでしょうね。

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 というわけで本作は、「佇む男」「鍵のかかった部屋」「歪んだ箱」「密室劇場」という4つの短編を収録。

 前2作と同様に、防犯コンサルタントと美人弁護士のコンビが、密室殺人の謎に挑んでいきます。

 (最後の「密室劇場」以外は)犯人が大体予想付く感じで進んでいくこともあり(「歪んだ箱」は倒叙形式に近い展開)、犯人探しの要素はないので、犯人はいかにして密室を作り殺人を犯し、主人公はいかにしてその謎を解くのか、という純度の高い密室ミステリとなっていましたね。

 そして、防犯コンサルタント探偵という設定が活かされた密室トリック破りは相変わらずだし、短編ながらもいくつもの可能性を潰していく形式の謎解きも相変わらずだし、主人公2人のコミカルなやり取り(特に美人弁護士のボケっぷり)も相変わらずな面白さでした。

 ただ、最後の「密室劇場」だけは他の3編と趣きを異にしていまして、これは前作ラストに収録の「犬のみぞ知る」の続編的な話なのですが、登場人物のキャラクターもそのやり取りも事件の真相もバカミス的な軽いノリで、他の3作品とはまた違った魅力を味わえましたねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “貴志祐介” 関連記事 】

  > No.991 「ミステリークロック」
  > No.698 「雀蜂」
  > No.469 「鍵のかかった部屋」

  > No.466 「硝子のハンマー」
  > No.428 「ダークゾーン」
  > No.361 「悪の教典」
  > No.126 「新世界より」
  > No.012 「黒い家」


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