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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.470
『ARAKURE あらくれ』 矢作俊彦 司城志朗
「このミス」2012年版 : 59位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.8.3 ~ 読終:2011.8.5
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2011年6月>
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矢作俊彦と司城志朗の共著作品です。
このコンビでは、80年代前半に「暗闇にノーサイド」など3作品を発表していたのですが、2009年にNo.382「犬なら普通のこと」で25年ぶりに黄金コンビが復活し、「このミス」でも5位にランクインするほどの評価を得ました。
コンビ復活後は、早くも翌年(2010年)にNo.399「百発百中 狼は走れ豚は食え、人は昼から夢を見ろ」、さらにその約1年後に本作と、長いブランクを埋め合わすかのようにコンスタントに作品を発表していますね。
なお、矢作俊彦のTwitter(2011年7月5日)によりますと、実は矢作俊彦&司城志朗の他に映画監督の川島透も本作に大きく関わっていて、川島が原案(映画用の企画書とトリートメント)を作り、それを元に矢作が長めの粗筋を書き、司城が小説として仕上げる、といった役割分担だったのですが、ミスにより“原案・川島透”がどこにも表記されなかったのだそうです。
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それで本作の内容ですが、沖縄を舞台としたねっとりクライムノベル(「犬なら普通のこと」)、老人ホームの住民による復讐犯罪劇(「百発百中」)ときて、今回は幕末を舞台とした時代劇ロードクライム作品です。
当てのない放浪中に出会った無宿渡世人の亨介と欣蔵が、偶然に拳銃を手に入れたことから、日本初のギャングとなって暴れまくります。
“幕末版「明日に向って撃て!」”と称されるだけあって、アメリカン・ニューシネマを幕末の日本に置き換えたような世界観で、とても熱く爽快感あって破滅的な物語が繰り広げられていきます。
ギャングといっても、別に残虐非道な行為が描かれるのではありませんで、主人公コンビはお人好しで人間味あふれた“股旅ギャング”ということもあり、ある意味で庶民の味方的なギャングなのですね。
「犬なら普通のこと」のような圧倒される筆力などはないものの、幕末に活躍した超有名人が主人公と絡んだりもしますし、ただ単純にワクワクドキドキと楽しめるエンタメ時代活劇となっているので、好き嫌いが分かれそうな前2作と比べても、多くの人が楽しめる作品なのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.399 「百発百中 狼は走れ豚は食え、人は昼から夢を見ろ」
> No.382 「犬なら普通のこと」
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