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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.445
『民宿雪国』 樋口毅宏
「このミス」2012年版 : 11位
受賞(候補) : (「山本周五郎賞」候補)
(「山田風太郎賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.4.10 ~ 読終:2011.4.11
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年12月>
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樋口毅宏のデビュー3作目です。
かなりぶっ飛んだ作品を発表して“知る人ぞ知る作家”となっていたのですが、本作が発売されると、書評に取り上げられるなどして評判と注目が高まり、以前より一段レベルの上がった“知る人ぞ知る作家”となったのですね。
そして樋口毅宏は、本作の発売をきっかけにして“図書館の新刊貸出問題”について言及するようになり、次作No.444「雑司ヶ谷R.I.P.」の巻末で公立図書館向けに一定期間の貸し出しの猶予をお願いするメッセージを掲載したことで、結構な話題になりました。
まあこの騒動についてはNo.444「雑司ヶ谷R.I.P.」の方でご確認していただきたいのですが、これをきっかけに作者&作品が多くの方に広まるのは喜ばしいことだと思うものの、賛否両論ある難しい問題ということもあり、作品を読む前にこの騒動だけで作者に対しマイナスなイメージを持つ方も多くいると思うので、そうなると作者的にかなりもったいないんじゃないかな~とも思ってしまいますねェ。
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本作の内容ですが、デビュー作とはまた違った方向にぶっ飛んだ作品です。
それでそのぶっ飛び具合というのが、先が全く読めない予測不能な展開なのですが、これはストーリー的というよりも構成的にかなりの変化球となっていることもあり、あまり前情報を仕入れずに読んだ方が、読んでいてより困惑出来るだろうし、より楽しむことが出来るのではないでしょうか。
なのでここでも、簡単な感想を書くのみに留めることにしましょう。
“雑司ヶ谷シリーズ”のようなエログロさやえげつなさはそのままに、それを文学的な衣で包んだかのような雰囲気で、この作者にしか書くことのできない独特の世界が広がっていました。
そして、“雑司ヶ谷シリーズ”では現代のサブカル系有名人を実名で作品内にコラージュしていたのに対し、本作では昭和史を彩るアクの強い有名人たちがほぼ実名で登場するので、こういったフィクションとノンフィクションを乱暴なまでにごっちゃ混ぜにしてしまうところが、相変わらずでやっぱり面白かったですね。
まあ、評判の作品といえど、誰が読んでも楽しめるというよりは、かなり人を選ぶ問題作であることは間違いないので、常識外れの一風変わった小説を読みたい時には、本作を大いにお薦めしたいです。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “樋口毅宏”関連記事 】
> No.619 「ルック・バック・イン・アンガー」
> No.562 「二十五の瞳」
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> No.444 「雑司ヶ谷R.I.P.」
> No.253 「さらば雑司ヶ谷」
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