『ダイナー』 平山夢明 > 「このミス」完全読破 No.441
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.441
『ダイナー』 平山夢明
「このミス」2010年版 : 15位
受賞(候補) : 「日本冒険小説協会大賞」受賞
「大藪春彦賞」受賞
(「吉川英治文学新人賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 16位
読始:2011.3.23 ~ 読終:2011.3.26
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2009年10月>
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平山夢明といえば、ミステリ的には無名に近い存在ながら突如として「このミス」1位に輝いたNo.47「独白するユニバーサル横メルカトル」が代名詞的作品です。
そして本作は、その「独白する~」がフロックではなかったことを証明した作品、といえるのではないでしょうか。
「このミス」で2度目のランクインを果たしただけでなく、日本冒険小説協会大賞&大藪春彦賞をダブル受賞するなど、「独白する~」以上といっても過言でないような評価を得ているのですからね。
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主人公は、高額報酬に釣られて犯罪の片棒を担ぐことになってしまった女性で、その犯罪の対象であるヤクザに捕まり、拷問の末に生きたまま埋められそうに.....。
しかしその寸前に“料理が得意”アピールが実り命を取り留め、売られた先が“殺し屋のための会員制定食屋”。
この店でウェイトレスとして働くことになった主人公は、ウェイトレスの命など屁とも思っていない料理人の元で、次々に訪れる残虐非道な殺し屋たちを相手にすることになるのでした.....。
とにかく多くの殺し屋たちが登場するのですが、皆が強烈な個性の持ち主で、かなりの極悪さで性格的にも捻じり曲がっているのに妖しげな魅力に満ち溢れていて、良い意味で漫画的なキャラクターなのですよね(「ジョジョ」に出て来そうな感じ?)。
そして、「独白する~」の収録作ではエログロ鬼畜系描写をメインに書かれているような作品が多かったのに対して、本作はそんなエログロ鬼畜系描写が物語やストーリーの中に自然な形で溶け込んでいて、クライムノベルとして見事なまでに昇華されているのです。
それに、登場人物たちのやり取りやストーリー展開、ド派手なアクションシーン、さらにクライマックスでは実は○○小説だったことがわかるなど、エンタメ要素もてんこ盛りで、それでいて平山作品の持ち味が全く失われていないどころか一段と魅力が膨れ上がっているほどなのです。
なので、“殺し屋専門の定食屋”という設定で平山夢明が書き始めた時点で、もう傑作が出来上がるのは自然な成り行きだったと思うし、実際に完成してみたら大傑作が誕生してしまった、ということなのですね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.047 「独白するユニバーサル横メルカトル」
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