『マルドゥック・フラグメンツ』 冲方丁 > 「このミス」完全読破 No.455
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.455
『マルドゥック・フラグメンツ』 冲方丁
「このミス」2012年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.5.25 ~ 読終:2011.5.30
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 文庫本 <2011年5月>
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No.336「マルドゥック・スクランブル」、No.415「マルドゥック・ヴェロシティ」に続く、“マルドゥックシリーズ”の3作目です。
ただ、前2作はいずれも文庫3巻組の大作でしたが、本作はシリーズ初の短編集なのです。
収録作の内容は、前2作に関係するものや、そう遠くない時期に発売される予定のシリーズ第3弾「マルドゥック・アノニマス」に関するものなので、“マルドゥック・シリーズ”の過去・現在・未来を結ぶ作品群、といったところでしょうか。
そのため、前2作を読んだ人を想定して作られている感じもあるし、前2作を読んでいない人には説明不足に感じられる部分も多々あると思うので、いきなり本作から読むのはあまりオススメしません。
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収録作品をもう少しだけ詳しく説明しますと、まずは2作目「ヴェロシティ」のプレストーリー的な2つの話。
1作目「スクランブル」の最初の場面へと繋がる話と、「スクランブル」のクライマックスにおいて主人公の一人が走馬灯のように自分の半生(「ヴェロシティ」の内容)を振り返る話。
3作目「アノニマス」の作品世界を舞台にした話と、「アノニマス」の予告編的な話。
やはりいずれも短編なので、長編である前2作から発せられていたようなとんでもない圧倒感やスケール感はなかったものの、それでも刺激的な迫力に満ち満ちたこのシリーズの魅力が驚くほどに詰め込まれているので、“所詮シリーズ番外編だろう”と思って読み始めると、痛い目に合ってしまうことでしょう(まあここで言う“痛い目”はとても喜ばしいことなのですが)。
それに、今回唯一の書き下ろし作品である“「アノニマス」の作品世界を舞台にした話”では、「アノニマス」に登場するキャラクターが紹介程度に出てくるのですが、短い出演シーンの中にそれぞれの(未知な部分を含む)魅力が見事に凝縮されていますし、前作から引き続き登場するキャラクターも相変わらずの魅力なので、“もっと読みたい!”という気持ちにさせられること間違いなしです。
そして短編集の後には、作者のインタビューと、「スクランブル」の幻の初期原稿(冒頭部分のみ)も収録。
このインタビューでは、「スクランブル」の改訂版(改訂新版&完全版)についての話に多くを割いていて、中身が旧版から大きく変わっていることがわかります。
なので、この短編集を読めば、「スクランブル」「ヴェロシティ」を再読したくなるのはもちろん、「スクランブル」改訂新版&完全版のどちらも読みたくなるし、「アノニマス」を早く読みたくもなるので、自然とこのシリーズの虜に改めてなってしまうのではないでしょうかね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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