『パンドラ・ケース よみがえる殺人』 高橋克彦 > 「このミス」完全読破 No.430
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.430
『パンドラ・ケース よみがえる殺人』 高橋克彦
「このミス」1989年 : 19位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2011.2.16 ~ 読終:2011.2.17
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1991年8月>
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「南朝迷路」「即身仏の殺人」へと続くシリーズの1作目です(シリーズ名はちょっとだけ本作のネタバレになるので省略)。
ちなみに、本作より前に発表された“浮世絵三部作(「写楽殺人事件」「北斎殺人事件」「広重殺人事件」)”の登場人物が、本作の探偵役となります。
作者の高橋克彦は、「このミス」には本作とNo.411「竜の柩」の2作品がランクインしているのですが、その2作品共に「このミス1989年」でのランクインなのです。
同じ作者の作品が同一年に2作以上ランクインすること自体そこまで頻繁にあることではないし、あったとしても「このミス」常連作家がほとんどなのですが、“唯一のランクイン年にダブルランクイン”ということで、これは「このミス」の歴史の中でも珍現象といえるのかもしれません。
しかも、一方は“伝奇SFアクション小説”、一方は“本格ミステリ小説”と、全く異なるジャンルでのダブルランクインというのも面白いですね。
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そして本作ですが、上の説明でいうと“本格ミステリ小説”の方に当たります。
大学時代に埋めたタイムカプセルを開けるため、10年以上ぶりにメンバーたちが集まるところから物語はスタート。
(唯一今回の集まりに参加していない)何年も行方不明状態となっている仲間とその謎。タイムカプセルに仕掛けられたイタズラ。そして陸の孤島と化した宿で連続殺人事件が起きていくのです.....。
学生時代の謎や状況を思い出しつつ探っていくと、現在起きている謎や事態の真相が見えてくる、といった展開が、今の時代のミステリ小説における流行り(同窓会ミステリ的なもの)と重なっているようにも感じました。
それでいて、“孤島と化した地で起きた連続殺人事件、メンバーの中で誰が真犯人なのか.....”、といった展開は、古き良き本格ミステリの定番といった趣きがあるので、新旧ミステリの魅力をどちらも味わえる作品、といったところでしょうか。
まあ今から20年以上も前の作品なので、どちらの要素にしても驚愕するような展開や真相などはそれほどないものの、タイムカプセルの中身をめぐるミステリ的な推理合戦などの小ネタ的なものも面白いですし、メンバーの中に隠れた真犯人に対する疑心暗鬼な雰囲気など、今の時代に読んでもなかなかの読み応えがあると思います。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.650 「ツリー」
> No.430 「パンドラ・ケース よみがえる殺人」
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