『狼花 新宿鮫IX』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.426
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.426
『狼花 新宿鮫Ⅸ(9)』 大沢在昌
「このミス」2007年版 : 4位
受賞(候補) : 「日本冒険小説協会大賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
読始:2011.2.4 ~ 読終:2011.2.5
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2006年9月>
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No.27「新宿鮫」、No.43「毒猿」、No.75「屍蘭」、No.171「無間人形」、No.262「炎蛹」、No.348「氷舞」、No.400「灰夜」、No.419「風化水脈」に続く、”新宿鮫シリーズ”の9作目です。
“新宿鮫シリーズ”といえば、“「このミス」と足並みを揃えるように成長し続けている”と言えるくらいのシリーズなので、ほとんどの作品が「このミス」にランクインしているのではないか、と思われている方も多くいるのではないでしょうか。
でも実際には、本作が出るまでの8作中、「このミス」の20位以内にランクインしたのは5作品で、ベスト10入りしたのはわずか3作品のみ。
しかも5作目以降の4作品となると、ランクインしたのは「氷舞」1作品のみで、意外にもランクイン率はかなり悪くなっているのですね。
そして本作ですが、5年ぶりの“新宿鮫シリーズ”ということもあってか、3作ぶりのランクインを果たしただけでなく、2作目「毒猿」以来となるベスト5入りするほどの評価を得た作品なのです。
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前2作が“新宿鮫シリーズ”としてはそれぞれ別の意味で異色作だったのに対して、本作は“これぞ新宿鮫!”といった感じの、王道的な作品となっています。
本作で重要な役を務めるのが、5作目「炎蛹」以降準レギュラーのように登場している宿敵でして、鮫島とこの人物とのこれまでの流れのクライマックスがここで訪れることもあり、「炎蛹」「氷舞」「風化水脈」をあらかじめ読んでいた方がより楽しむことができると思います。
そしてもう一人大きな役割を担うのは、鮫島の同期であり犬猿の仲であるライバルでして、こちらも鮫島との関係に一区切りが付く形になるので、「新宿鮫」「氷舞」を先に読んでおくとより楽しめるのではないでしょうか。
そんな感じなので、シリーズ自体にも大きな区切りとなるかのような作品なのですね。
鮫島を含めたこの3人を軸にして、(やくざや外国人組織など)裏社会の人間たちが絡んでくる犯罪が描かれていくわけですが、いくつもの話が次第に収束してクライマックスを迎える展開が、大いなる盛り上がりを生み出しているのです。
しかも、それぞれの物語がじっくり濃厚に描かれているので、それらが収束していく時の迫力が凄まじくて、化学反応が起きたかのような緊迫感や高揚感を味わうことができるはず。
というわけで、このシリーズの魅力が詰め込まれたような作品なのですが、その一方で“シリーズ随一の問題作”と評されてもいるのです。
それゆえに賛否両論の激しい評価になっているので、読後に“賛”と“否”両方の感想をブログやサイトなどで見ていくのも面白いと思いますね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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