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2011年4月26日 (火)

『迎撃せよ』 福田和代 > 「このミス」完全読破 No.442

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.442

 『迎撃せよ』 福田和代

   「このミス」2012年版 : 79位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2011.3.28 ~ 読終:2011.3.30

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2011年1月>

迎撃せよ (角川文庫)迎撃せよ (角川文庫)
福田 和代

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 福田和代は、女性作家ながらも骨太なテーマの作品を発表し続けているのですが、本作も自衛隊を中心に描いた骨太テーマの作品となっています。

 作品の舞台となるのは、“北”と呼ばれる隣国で行われるミサイル実験に対し、緊張状態が続いている日本。

 なので、北朝鮮が実験と称して日本の上空を超えるミサイルを発射した2009年頃を想定した作品世界なのでしょう。

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 そんな情勢の中で、何者かの手によって弾道ミサイルを積んだ戦闘機が自衛隊基地から奪われる事件が発生。

 その犯人グループから、ある意味日本という国自体を人質とした犯行声明が送られてくるのですが、その首謀者と思われる人物の正体に感づいた自衛官である主人公が、単身その人物の元へ向かうことに。

 この主人公の職務を外れた単独行動と、それを追う主人公の部下たち、そして犯人グループとの接触が前半部分のメインとなりまして、軍事サスペンスとしての展開と共に、冒険小説的なスリルや派手なアクションシーンなんかも堪能することができます。

 そして後半では、弾道ミサイルの脅威から日本を守るための攻防戦が激しく描かれていくわけですが、タイムリミットが設定されていることもあって、話が進んでいくごとに緊迫したドキドキ感が増していきますし、多くても8ページほどで視点が次々に変わっていくので、それによりスピード感が生まれて、否応なしに作品世界に呑み込まれていくようでした。

 ただ、似たような作品テーマであるNo.26「亡国のイージス」(福井晴敏)なんかと比べてしまうと、物語の厚みやリアル感などは如何せん物足りなく感じてしまうし、想定できる範囲内で物語が進んでいく印象も受けてしまいます。

 なので、こういった作品テーマだからといって超大作を期待して読むのではなく、エンタメ軍事サスペンスを楽しむ心意気で読んだ方が、本作の魅力を充分に味わうことができるのではないでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★★★★   主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “福田和代”関連記事 】

  > No.629 「TOKYO BLACKOUT」

  > No.494 「タワーリング」
  > No.442 「迎撃せよ」
  > No.341 「プロメテウス・トラップ」
  > No.322 「オーディンの鴉」
  > No.177 「黒と赤の潮流」


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