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2011年3月 7日 (月)

『群衆リドル Yの悲劇'93』 古野まほろ > 「このミス」完全読破 No.436

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.436

 『群衆リドル Yの悲劇'93』 古野まほろ

   「このミス」2012年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2011.2.28 ~ 読終:2011.2.28

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年12月>

群衆リドル Yの悲劇’93 (光文社文庫)群衆リドル Yの悲劇’93 (光文社文庫)
古野 まほろ

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 古野まほろは、メフィスト賞受賞作である「天帝のはしたなき果実」で衝撃的にデビュー。

 その後も、デビュー作を始めとした”天帝シリーズ"に、すでに完結した"探偵小説シリーズ"と、これまで発表した作品は全て講談社ノベルスから発売されてきました。

 そんな古野まほろによる初のハードカバー&初の講談社以外の出版社からの発売となったのが、本作です(講談社とは喧嘩別れした、という噂も)。

 副題の”Yの悲劇'93"というのは、もちろんエラリー・クイーンの代表作「Yの悲劇」が元になっているわけですが(「Yの悲劇」の探偵役がドルリー・レーンなので、表題にも掛かっているのかも)、ただこの作品よりも、作者が敬愛している作家・有栖川有栖のデビュー作No.61「月光ゲーム Yの悲劇'88」の方を意識したものなのでしょうね。

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 それで内容の方ですが、陸の孤島と化した館で連続殺人事件が起こるという、ド直球ともいうべき本格ミステリ作品です。

 そしてその中身の方も、密室あり、ダイイング・メッセージあり、見立て殺人あり、(素人)探偵ありと、まさに古き良き本格要素が満載なのですね。

 今の時代にはここまでド直球な本格ミステリはなかなか発表されないこともあり、この挑発的ともいえる意気込み&挑戦心だけでも読む価値あり、なのではないでしょうか。

 あとこれまでのまほろ作品の特徴として、”まほろ語” ”まほろ節”とも呼ばれるとんでもなくアクの強い個性的すぎる表現&文体の数々があって、これゆえに好き嫌いがはっきりと別れてしまいます(もちろん”好き”の方が少数派)。

 ただ本作は、今回は発表形態が少し変わったこともあってか、その部分に関しては、過去作と比較してかなり読みやすく一般向けになっているので、まほろ作品未経験者や過去作で挫折した方には最適の作品なのではないかと思います。

 ただしかし、トリックの真相が反則技ギリギリの所を突いてきていますし、やはり独特な癖が文体やキャラクターなどに残っているので、あくまで”過去作に比べたら一般向け”であって、”多くの人が楽しむことができる本格ミステリ”とまではいかない感じですかねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★    気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “古野まほろ” 関連記事 】

  > No.533 「絶海ジェイル Kの悲劇'94」
  > No.478 「命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇'75」
  > No.436 「群衆リドル Yの悲劇'93」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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