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2011年3月20日 (日)

『花の鎖』 湊かなえ > 「このミス」完全読破 No.438

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.438

 『花の鎖』 湊かなえ

   「このミス」2012年版 : 105位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (文庫ランキング) 11位

   読始:2011.3.10 ~ 読終:2011.3.10

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2011年3月>

花の鎖 (文春文庫)花の鎖 (文春文庫)
湊 かなえ

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 湊かなえといえば、大ヒットし映画化もされたデビュー作No.127「告白」がやはり代名詞となっています。

 ただ、この「告白」以後も、なかなかの良作を発表しているのですよね。

 しかし、「告白」の評価が高すぎる&インパクトが強すぎるためか、そしていずれも大枠で考えれば「告白」と似たタイプの作品であるためか、どうしてもいまだに“湊かなえ=「告白」”というイメージは変わっていませんし、「このミス」においても「告白」以後はランクインしていない状況となっているのです(「告白」後の最高順位はデビュー2作目No.165「少女」の30位)。

 それで本作なのですが、作者自身が“これまでのイメージとガラッと変わる、セカンドステージの代表作になるといいな、と期待している作品”と語っているように(「このミス2011年版」の“私の隠し玉”参照)、新たな作風に挑戦した作品なのです。

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 主人公は、同じ町に住む同年代の女性3人で、それぞれの話が並行して語られていきます。

 この主人公3人は結婚を意識するお年頃なのですが(一人は既婚)、結婚を意識したそれぞれの生活が、町中にある商店街を通して、そして家族を通して描かれていくので、話の内容的にはこれまで以上に女性向きな感じがしました。

 そして“3つの話が並行して語られていく”といったところからも、それぞれの話が次第に繋がり出してきて、最後には一つの物語として集約される、といったミステリ的な展開になるのは想像出来ると思うのですが、その繋がり方というのは、こういったタイプの作品を多く読んでいる方なら途中で気がついてしまうかもしれません。

 だからといって、気付いてしまったらそれでお終い、というわけでは全然ありませんでして、この3つの話が繋がっていくと同時に、それぞれの話の物語性&ドラマ性が一気に膨らんでいきますし、集約した一つの物語としてもかなり大きなドラマ的スケール感が一気に浮かび上がってくるので、このミステリ的な仕掛けとドラマ性との絡め方が見事でしたね。

 あと“セカンドステージ”に関してですが、これまでの湊作品の特徴である、読んでいて嫌~な気持ちになる“イヤミス”的表現が、そっちの方向に行きそうな場面であっても結構あっさりと描かれていたので、そんな“イヤミス的な毒が薄まった”という部分では、「告白」を始めとするこれまでの作品とはずいぶん印象が違いました(少し文学的な雰囲気が増した感じでしょうか)。

 ただ、それ以外の部分は、それほど大きな作風の変化は(個人的には)感じられなかったので、これまでの湊作品が好きなのであれば、本作にも満足できるのではないかと思います(ただしイヤミスとしての湊作品ファンは除く)。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “湊かなえ” 関連記事 】

  > No.833 「リバース」
  > No.637 「望郷」
  > No.438 「花の鎖」

  > No.345 「夜行観覧車」
  > No.306 「Nのために」
  > No.211 「贖罪」
  > No.165 「少女」
  > No.127 「告白」


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