にほんブログ村2

« 『汝、隣人を愛せよ』 福澤徹三 > 「このミス」完全読破 No.434 | トップページ | 週刊少年ジャンプ新連載! 「戦国ARMORS」 榊ショウタ »

2011年3月 4日 (金)

『麒麟の翼』 東野圭吾 > 「このミス」完全読破 No.437

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.437

 『麒麟の翼』 東野圭吾

   「このミス」2012年版 : 20位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 7位
              「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (文庫ランキング) 8位
              「ミステリが読みたい!」 11位

   読始:2011.3.3 ~ 読終:2011.3.3

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2011年3月>

麒麟の翼 (講談社文庫)麒麟の翼 (講談社文庫)
東野 圭吾

講談社 2014-02-14
売り上げランキング : 396

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「卒業」 「眠りの森」 「どちらかが彼女を殺した」 「悪意」 「私が彼を殺した」 「嘘をもうひとつだけ」 No.53「赤い指」 No.236「新参者」に続く、“加賀恭一郎シリーズ ”の9作目です。

 シリーズものとはいえ、主人公の加賀恭一郎が関わる様々な時期に起きた物語(事件)をそれぞれ切り取ったようなシリーズで、どちらかといえば主人公よりも事件の方がメインとなっている感じなので、本作から読んでも問題なく楽しむことができるでしょう。

 ただやはりそれでもシリーズものなので、主人公の主に心理面での移り変わりや、共通する登場人物など、それまでのシリーズ作品を読んでいればこその楽しみがありますし、それに今回は「赤い指」「新参者」との繋がりが結構あるので、本作をすぐに読みたい!というのでなければ、これを機にシリーズ1作目から順に(少なくとも本作との関連がある「赤い指」から順に)読んでいくのも良いのではないでしょうか(逆に本作の後にシリーズ作品をさかのぼっていくのも良いかも?)。

 ちなみに、本書に挟まれていたチラシによりますと、今年(2011年)は東野圭吾の作家生活25周年ということで、3社合同企画として特別刊行が行われていくのだそうです。

 その第1弾が本作(講談社)で、6月6日(予定)には第2弾として”ガリレオシリーズ”最新作No.457「真夏の方程式」(文藝春秋)が、そして9月9日(予定)には第3弾として連続殺人事件もののNo.479「マスカレード・ホテル」(集英社)が発売されるということで、今年はミステリ小説としての東野作品を充分に堪能できそうですね。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 それで本作ですが、ある殺人事件の真相に刑事である主人公が迫っていく物語です。

 この殺人事件は、すぐにでも解決されてしまいそうな一見単純なものでしたが、被害者・加害者双方の犯行前後の状況・状態など謎めいた部分が多いため、真相の確証を得られるのが困難な状況に。

 そんな中で主人公が主人公ならではの捜査方法によって事件に迫っていくわけですが、今回改めてこのシリーズ作品を読んでみて、この主人公が捜査を行うのならば面白くならないわけはないな、と改めて思うほど、やはり人間的にも刑事としても魅力的なキャラクターですね。

 そんな主人公が手掛ける今回の事件も、最初は単純だったものが次第に複雑化していくので、書き方によっては状況や構図がわかりにくくなりそうなものの、それでもとてもわかりやすく読みやすいのはさすがでした。

 まあ、特にミステリ小説などでは”読みやすい”という評価はマイナスとみられてしまうことが多々ありまして、本作もあまり引っ掛かるところなく最後まで直滑降のように辿り着いてしまうので、その点で物足りなさを感じてしまう人もいるでしょう。

 でも他の様々な作家の作品を読んだり、自分でも拙いとはいえ読んだ本の感想のようなものを書いていると、別に軽かったり単純だったりする内容でもないのにここまで読みやすい文章で書けてしまうというのは、ホントに凄いことだと感心してしまいますからねェ。

 あと人間ドラマ的には、このシリーズで「このミス」にランクインした過去作品ほどの心揺さぶられる感じはなかったし、ミステリ的にもそこまで超絶トリックが炸裂するわけではないので、このシリーズの”最高傑作”とまではいかなそうです。

 ただそれでも、激しいタイプではないものの静かな感動を呼ぶ人間ドラマが特に後半になって展開されますし、ミステリ的にも真相が最後まで予測できない(自分的には)など読み応えあるので、超大作としてではなく、良作を味わう感じで読んでみるのが良いのではないでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “東野圭吾” 関連記事 】

  > No.1079 「希望の糸」
  > No.1047 「沈黙のパレード」(後日更新予定)
  > No.0873 「人魚の眠る家」
  > No.0832 「ラプラスの魔女」
  > No.0784 「マスカレード・イブ」

  > No.0757 「虚ろな十字架」
  > No.0720 「疾風ロンド」
  > No.0690 「祈りの幕が下りる時」
  > No.0655 「夢幻花」
  > No.0598 「禁断の魔術 ガリレオ8」

  > No.0580 「虚像の道化師 ガリレオ 7」
  > No.0537 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
  > No.0526 「歪笑小説」
  > No.0479 「マスカレード・ホテル」
  > No.0457 「真夏の方程式」

  > No.0437 「麒麟の翼」
  > No.0418 「鳥人計画」
  > No.0377 「白銀ジャック」
  > No.0342 「プラチナデータ」
  > No.0285 「カッコウの卵は誰のもの」

  > No.0266 「魔球」
  > No.0236 「新参者」
  > No.0184 「パラドックス13」
  > No.0130 「聖女の救済」
  > No.0085 「流星の絆」

  > No.0053 「赤い指」
  > No.0045 「容疑者Xの献身」
  > No.0022 「超・殺人事件」
  > No.0010 「秘密」
  > No.0006 「名探偵の掟」


 「群衆リドル」古野まほろ <<< PREV/NEXT >>> 「花の鎖」湊かなえ

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

« 『汝、隣人を愛せよ』 福澤徹三 > 「このミス」完全読破 No.434 | トップページ | 週刊少年ジャンプ新連載! 「戦国ARMORS」 榊ショウタ »

01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」カテゴリの記事

Google AdSense

楽天市場

「このミス」完全読破:次に感想を書く予定の本

「このミス」完全読破:現在読書中の本

無料ブログはココログ