『奇想、天を動かす』 島田荘司 > 「このミス」完全読破 No.420
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.420
『奇想、天を動かす』 島田荘司
「このミス」1989年 : 3位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補辞退)
総合ランキング : 「二十世紀傑作ミステリーベスト10」 21位
「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 27位
「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 51位
「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 52位
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
読始:2011.1.23 ~ 読終:2011.1.24
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1993年3月>
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「寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁」 「出雲伝説7/8の殺人」 「北の夕鶴2/3の殺人」 「消える「水晶特急」」 「確率2/2の死」 「Yの構図」 「展望台の殺人」 「灰の迷宮」 「夜は千の鈴を鳴らす」 「幽体離脱殺人事件」に続く、“吉敷竹史シリーズ”の11作目です。
シリーズものとはいえ作品自体は独立したものなので、本作から読んでも問題ありません。
島田荘司といえば、言わずと知れた本格ミステリ界の巨匠的存在の作家ですが、“社会派ミステリ作家”という面も持っていて、これまでに社会派ノンフィクション作品も発表していたりします。
そして本格ミステリと社会派ミステリが融合した作品も多く発表していて、その中でも最も成功を収めた作品と評価されているのが、本作なのですね。
ちなみに、昨年(2011年版)にNo.357「写楽 閉じた国の幻」が「このミス」2位にランクインするまでは、本作が島田作品の中で「このミス」最高順位でした(1989年 3位)。
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浮浪者風の老人が街中で起こした、理由不明な殺人事件。
完全黙秘を続ける中、この事件の裏に何かがあると確信した刑事である主人公が捜査を続けていくと、過去から現在へと繋がるとても壮大な犯罪が浮かび上がってくるのです。
その過去の事件というのが、本格ミステリ的な謎とトリックがふんだんに使われたものなのですが、その奇抜さ&鮮やかさ&大胆さに圧倒されるものの、ただ本格ミステリ的トリックが出尽くした感のある今の時代に読んだからか、新鮮な驚きよりも既視感の方が強かったですね。
.....と読んだ直後に思ったのですが、その後にちょっと調べてみましたら、メインともいうべきトリックが漫画「金田一少年の事件簿」でも使われていたのです。
もちろん本作の方が元ネタなので、知らないうちに「金田一~」によって本作のネタバレをされてた、ってことなのですねェ。既視感が強かったのは当たり前の話でした.....。
というわけで、本格ミステリ部分はネタバレの影響で素直に楽しめずに残念でしたが、それでも事件の発生・推理・真相提示というそれぞれの場面での雰囲気が魅力的でしたし、読み応えありましたからね。
それに、やはり社会派ミステリというだけあって、深く考えさせられるような社会的ドラマ&人間ドラマが秘められていて、本格ミステリの謎が解かれることでそういったドラマ的な部分が感動的に浮かび上がってくるので、“両者が見事に融合した作品”という評価にもう納得するしかないくらいに素晴らしかったです。
ただだからこそやっぱり、ミステリトリックも本作で初めて味わいたかったですねェ。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.707 「星籠の海」
> No.588 「アルカトラズ幻想」
> No.461 「進々堂世界一周 追憶のカシュガル」
> No.420 「奇想、天を動かす」
> No.357 「写楽 閉じた国の幻」
> No.276 「切り裂きジャック・百年の孤独」
> No.273 「異邦の騎士」
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