『新宿鮫 風化水脈(新宿鮫VIII)』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.419
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.419
『新宿鮫 風化水脈』 大沢在昌
* ノベルス化の際に『風化水脈 新宿鮫Ⅷ(8)』に改題
「このミス」2001年版 : 44位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
読始:2011.1.20 ~ 読終:2011.1.23
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2000年8月>
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No.27「新宿鮫」、No.43「毒猿」、No.75「屍蘭」、No.171「無間人形」、No.262「炎蛹」、No.348「氷舞」、No.400「灰夜」に続く、”新宿鮫シリーズ”の8作目です。
でも実は、刊行順でいうと7番目にあたるのですよね。
というのも、この作品はシリーズ7作目の「灰夜」の1年前に、毎日新聞社からハードカバーで「新宿鮫風化水脈」と題して発売されているのです。
ただ、作中の話としては「灰夜」の方が本作よりも前になるため、1年後に「灰夜」がカッパノベルスから刊行された際には“新宿鮫Ⅶ”という表記が付き、本作の方も後にノベルス化された際に“新宿鮫Ⅷ”という表記が付け加えられたわけなのですね。
なので、刊行順と作品内での時系列順とでは読む順番が変わってくるわけですが、でもここはもう時系列順・表記のナンバリング順に、まず「灰夜」を読んでから本作を手にすることにしたのです。
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それで内容の方ですが、前作「灰夜」が新宿から遠く離れた土地における話だったのと対象的に、本作は新宿と密接に結びついた話となっています。
もちろんいつものように、主人公である鮫島が事件の捜査を行っていくわけですが、その過程において新宿の現在と過去、つまりは新宿という街の歴史が、蘊蓄を交えつつじっくりと語られていくのですね。
事件の捜査とその展開・真相など、人間関係や人間ドラマが複雑に絡み合いつつクライマックスへと辿り着くので、その読み応えはかなりのものなのですが、それらのほぼ全てに新宿の歴史が重要な役割を果たしているので、本作の主役はまさに新宿という“街”だと感じられるほどなのです。
そのため本作は“動”というよりは“静”といったイメージの作品となっているので、シリーズを通しても異色作な方だと思うし、好き嫌いも別れやすいのではないでしょうか。
ただそれでも、他のシリーズ作品とは一線を画する魅力を持っていることは確かなので、この“新宿鮫シリーズ”の中でも重要な位置付けとなる作品といえるのではないでしょうか。
ちなみに、本作にはシリーズ1作目「新宿鮫」で活躍したキャラクターが久々に登場するので、先に「新宿鮫」を読んでおくと(再読しておくと)より楽しむことが出来ると思います。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0348 「氷舞 新宿鮫VI」
> No.0335 「ブラックチェンバー」
> No.0292 「欧亜純白 ユーラシアホワイト」
> No.0262 「炎蛹 新宿鮫V」
> No.0171 「無間人形 新宿鮫IV」
> No.0075 「屍蘭 新宿鮫III」
> No.0043 「毒猿 新宿鮫II」
> No.0027 「新宿鮫」
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