週刊少年ジャンプ新連載! 「メルヘン王子グリム」 渡邉築
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2011年2-3月に投入された新連載の第2弾が、2011年12号(2月21日発売)から始まった「メルヘン王子グリム(メルヘン・おうじ・グリム)」です。
2011年12号の本誌表紙画像 → 「集英社」公式サイト
作者の渡邉築(わたなべ・きずく)は、赤塚賞(2009年下半期)の佳作を「重装思春機兵ティーンエイザー」で受賞し、“本誌2010年19号”に「メルヘン王子グリム」が掲載されていきなりの本誌デビュー(週刊少年ジャンプ読切! 「メルヘン王子グリム(2010年19号版)」 渡邉築参照)。
そしてわずか5ヶ月後の41号に再び「メルヘン王子グリム」が掲載されると(週刊少年ジャンプ読切! 「メルヘン王子グリム(2010年41号版)」 渡邉築参照)、今度はその2ヶ月後に赤塚賞受賞作である「重装思春機兵ティーンエイザー」が掲載されたため(週刊少年ジャンプ読切! 「重装思春機兵ティーンエイザー」 渡邉築参照)、わずか7ヶ月の間で3回の本誌読切掲載となったのです。
そして違うバージョンで2度掲載された「メルヘン王子グリム」にて、今回初連載となりました。
内容の方ですが、メルヘンギャグ漫画です。
小学6年生ながらグラビアアイドルとして活躍する白雪結衣の幼馴染・磯部達彦は、雲の上の存在となってしまった白雪に近づくことすらできない毎日。
そんな磯部の家に突然白馬に乗ってやって来たのが、メルヘン王国の第七王子・グリム。
メルヘンに全く興味がないグリムは、磯部を自分の代わりにメルヘンの王子にするためにやって来たのでした.....。
読切版との比較ですが、磯部や同級生が小学生という設定や、幼なじみの白雪の存在など、「19号版」よりも「41号版」を元にしているようです(「19号版」での磯部は高校生で、白雪は登場せず)。
ただ「41号版」の設定そのままというわけでなく、グリムが人間界に来た理由が“廃退した未来のメルヘン界を変えるため”から“磯部を自分の代わりに王子にするため”に変わっていたり、メルヘン菌の呪い(メルヘン化)を解くには愛する者のキスが必要など、連載化にあたって変わったり加えられたりした設定もありますね。
ジャンプにおけるギャグマンガは、以前ほど投入数が多くないとはいえ、ここ数年でヒットした作品は「いぬまるだしっ」くらいしかなく、スポーツ物と並び鬼門のジャンルとなっています。
それで「いぬまるだしっ」を含むある程度成功したギャグ作品を思い返してみますと、例えばコメディ的要素や登場人物たちのキャラクターなど、ギャグ以外の部分にも魅力があったと思うのです。
その点でいくと、本作の場合はラブコメ的な展開がありますし、「19号版」より「41号版」の方が評価が高い感じだったのはまさにその点の有無が影響したのではないかと思うので、いかにラブコメ部分を魅力的に描けるかが、早期打ち切りを回避するためには重要になってくるのではないでしょうか。
もちろん基本部分のギャグ要素も重要ですが、ギャグというのは他ジャンル以上に“作り手の生まれ持ったセンス&培ってきたセンス”が影響してくるので、“この漫画だからこそ”のギャグセンスを味わえることを期待したいですね。
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