『放課後はミステリーとともに』 東川篤哉 > 「このミス」完全読破 No.433
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.433
『放課後はミステリーとともに』 東川篤哉
「このミス」2012年版 : 31位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 9位
読始:2011.2.21 ~ 読終:2011.2.21
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2011年2月>
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昨年(2010年)に発売されたNo.421「謎解きはディナーのあとで」が突然の大ヒットとなり、一躍売れっ子作家の仲間入りとなった東川篤哉の、2011年新作にして“ブレイク後第一作”です。
タイトルや表紙、帯に書かれている書店員の推薦コメントなどから「謎解きは~」の続編のように感じてしまいますが、別に続編というわけではなくて、これは“「謎解きは~」の勢いを本作にも!”的な宣伝作戦なのでしょう。
本作は“霧ヶ峰シリーズ”と題して雑誌に掲載された短編を集めたシリーズ短編集でして、第1話が発表されたのが今から8年前の2003年という、東川作品としては結構歴史あるシリーズなのですね。
しかもこの第1話は、初めて商業誌から依頼されて書いた作品とのことなので、作者自身としては“実質デビュー作の印象を抱く作品”なのだそうです(「2011本格ミステリ・ベスト10」の“2011年ミステリ作家新作近況会”参照)。
あと本作は、“鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ(「学ばない探偵たちの学園」「殺意は必ず三度ある」)”の外伝的な位置付けでもあるので、直接的な繋がりはないものの、本作の前や後にこのシリーズ作品も読んでみれば、より楽しむことができるのではないでしょうか。
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そんなわけで本作ですが、学園ミステリ作品です。
主人公は高校の探偵部の副部長で、校内で起きた事件や騒動の謎に迫っていきます。
東川作品らしいコミカルな雰囲気や漫画的なキャラクターは健在でして、特に主人公の強烈なキャラクターがこの作品の最大の魅力になっていますね。
強烈キャラはなにも主人公だけではなくて、脇役勢もなかなかインパクトあるキャラ揃いなのですが、話ごとに新たなキャラが入れ替わるように登場してくるので、その出し惜しみのなさが気持ち良いです。
そしてミステリ的にも、大掛かりなトリックや驚愕するような真相などはないものの、短編らしい小気味良さがありますし、登場人物たちのキャラクターが絶妙に活かされているので、この作品ならではの読み応えがあると思います。
そんなわけでキャラ的にもミステリ的にも魅力的なシリーズなので、連作集というわけではないですが、収録作を読んでいけばいくほど、このシリーズの虜になること間違いなしですね。
ちなみに、どの話からでも楽しめる短編集ではありますが、必ず第1話を最初に読んでください(理由は読めばわかります)。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “東川篤哉” 関連記事 】
> No.709 「探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2」
> No.599 「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」
> No.518 「謎解きはディナーのあとで 2」
> No.433 「放課後はミステリーとともに」
> No.421 「謎解きはディナーのあとで」
> No.090 「もう誘拐なんてしない」
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