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2011年2月22日 (火)

『カササギたちの四季』 道尾秀介 > 「このミス」完全読破 No.432

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.432

 『カササギたちの四季』 道尾秀介

   「このミス」2012年版 : 23位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 18位

   読始:2011.2.20 ~ 読終:2011.2.20

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2011年2月>

カササギたちの四季 (光文社文庫)カササギたちの四季 (光文社文庫)
道尾 秀介

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 本作は、5期連続候補となった直木賞をNo.396「月と蟹」でようやく受賞した直後、というタイミングで発売された、いわゆる“直木賞受賞第一作”。

 “カササギ・シリーズ”として雑誌に掲載された4つの短編(中編?)をまとめた連作集です。

 昨年(「このミス2011年版」)の道尾作品は4作共にノンミステリ作品だったので、本作は久々のミステリ作品となりますね。

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 メインの登場人物は、“リサイクルショップ・カササギ”の店長・華沙々木(かささぎ)と副店長・日暮、そしてこの店に入り浸っている中学生・菜美の3人。

 店長の華沙々木が探偵気質の持ち主であることから、(仕事に関係した)事件に首を突っ込んでいくことになるのですが、「~の四季」というタイトルからも推測出来るように、春・夏・秋・冬それぞれの時期に起きた事件について、日暮目線で語られていくのです。

 探偵役とワトソン役(とヒロイン)がいて、事件に対する推理を披露するので、典型的な本格ミステリなのですが、どちらかといえばメイン3人のキャラクターやその賑やかで楽しいやり取りが中心となっているため、ミステリ的にはライトな感じでしょうか。

 なので、過去の道尾作品の中で比べるならば、“真備シリーズ”の短編集No.233「花と流れ星」に一番近い感じですかね。

 ただそれでも、二段階推理披露やドラマ性との絡みなどミステリ的な読み応えがもちろんありますし、No.311「光媒の花」や「月の蟹」などでみられた叙景と叙情とが溶け込んだ文章で作品に色付けがされているので、これまでのミステリ作品における魅力とノンミステリ作品における魅力の両方を味わうことができるのではないかと思います。

 個人的には、話が進んでいくにつれてより面白く感じて、だんだんと作品世界に惹きこまれていったので(なので“冬”の話が一番好きですね)、もしこのシリーズの続編が発表されるならば、第2弾はさらに面白く魅力的になりそうな感じがしました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “道尾秀介” 関連記事 】

  > No.0947 「いけない」
  > No.1042 「スケルトン・キー」(後日更新予定)

  > No.0983 「満月の泥枕」(後日更新予定)
  > No.0947 「サーモン・キャッチャー the Novel」
  > No.0910 「スタフ staph」(後日更新予定)
  > No.0827 「透明カメレオン」
  > No.0749 「貘の檻」

  > No.0682 「鏡の花」
  > No.0617 「笑うハーレキン」
  > No.0583 「ノエル -a story of stories-」
  > No.0546 「光」
  > No.0498 「水の柩」

  > No.0432 「カササギたちの四季」
  > No.0396 「月と蟹」
  > No.0340 「月の恋人~Moon Lovers~」
  > No.0312 「蝦蟇倉市事件 1」
  > No.0311 「光媒の花」

  > No.0294 「球体の蛇」
  > No.0233 「花と流れ星」
  > No.0186 「龍神の雨」
  > No.0169 「鬼の跫音」
  > No.0121 「ラットマン」

  > No.0117 「カラスの親指」
  > No.0097 「ソロモンの犬」
  > No.0058 「片眼の猿」
  > No.0049 「シャドウ」
  > No.0041 「向日葵の咲かない夏」


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