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2011年2月 5日 (土)

『深夜ふたたび』 志水辰夫 > 「このミス」完全読破 No.408

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.408

 『深夜ふたたび』 志水辰夫

   「このミス」1989年 : 6位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.12.15 ~ 読終:2010.12.16

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1993年6月>

深夜ふたたび (徳間文庫)深夜ふたたび (徳間文庫)
志水 辰夫

徳間書店 1993-06
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 この作品はギャビン・ライアルの「深夜プラス1」へのオマージュとして書かれた作品です。

 自分はその「深夜プラス1」を読んでいないのですが、あらすじなどを見てみたところ、ストーリー展開はもちろん、細かな演出や小道具などにも共通した部分が多くあるようです。

 まあ、舞台がヨーロッパから日本に変わっているので別物の作品ではあるのですが、オマージュ作品とはいえここまで似せてしまっているのには驚きました。

 まあこれも、シミタツだからこそ出来たことなのかもしれないし、シミタツだからこそこれだけ面白く、そして高く評価される作品に仕上げることができたのかもしれませんね。

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 ある要人の亡命を手助けする依頼を受けた主人公が、ドライバーとなって京都から北海道へと車で向かう物語です。

 車中には他にもう2人が同乗するのですが、いずれも初対面に近い関係ながらも個性の強すぎる面々なので、この4人の緊張感のあるやり取りだけでもかなりの面白さです。

 そこに謎の追手との激しいバトルがあったり、その追手と駆け引きを演じながら北へ進んでいく逃亡劇、そしてクライマックスにおけるド派手な展開など、手に汗握るほどの迫力あるアクションシーンも読み応え充分。

 ただそういった外枠部分の魅力はもちろんあるものの、読後に印象に残るのはむしろ深みのある人間ドラマの方でしたね。

 特に、外見的にも内面的にもかっこいいとはいえない主人公のキャラクターが逆に人間味があって秀逸ですし、そんな主人公の過去と現在、そして未来へと向かう物語をこの旅を通して読んでいくと、その哀愁溢れるハードボイルド的な魅力にいつしか愛おしく感じてしまうのです。

 さすがはシミタツ、と言えるほどまだシミタツ作品を読んではいないですが、それでもこの激しくて熱くて渋くて楽しい作品を読んでしまうと、やっぱり“さすがシミタツだな”と思ってしまいますねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★★★★   主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “志水辰夫” 関連記事 】

  > No.531 「帰りなん、いざ」
  > No.408 「深夜ふたたび」
  > No.263 「こっちは渤海」
  > No.030 「行きずりの街」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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