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2011年1月21日 (金)

『琅邪の虎』 丸山天寿 > 「このミス」完全読破 No.416

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.416

 『琅邪の虎』 丸山天寿

   「このミス」2012年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2011.1.16 ~ 読終:2011.1.17

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年12月>

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丸山 天寿

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 メフィスト賞を受賞したデビュー作No.395「琅邪の鬼」に続く、“琅邪シリーズ”の2作目です。

 前作に続いての中国歴史物エンタメミステリ作品なのですが、作者のブログによりますと、このシリーズにはすでに50を超えるエピソードが(作者の頭の中に)存在していて、その過程において舞台が日本に移っていくこともあり、この壮大な作品群は“邪馬台国シリーズ”と銘打っているのだそうです。

 元々作者は邪馬台国研究をライフワークとしているので、この物語がどのように日本&邪馬台国と結びついていくのか、そして邪馬台国の謎がどのように解かれていくのか、とても楽しみだし大いに期待できそうですね。

 ちなみに、物語(事件)としては独立しているため、本作から読んでも問題ないとは思いますが、ただ登場人物が多くてその関係性も結構複雑だったりするので、前作から読んだ方がより楽しむことができるでしょう。

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 今回は前作からしばらく経った後の琅邪の町が舞台となりまして、“琅邪の鬼事件”以降は静かであったこの町に、“人を喰らった後でその人に成りすます虎(=人虎)”に関わる怪奇な事件や謎が次々と起き、町は再び大混乱と化してしまいます。

 そんな事件や謎の真相を追って、前作同様に主人公の求盗(今でいう警察官)や徐福塾の面々が大活躍するのですが、今回は前作よりも事件や謎に主人公たちが大きく関わっていることもあり、読んでいてより作品世界に入り込めたように感じましたね。

 そして前作から引き続き登場するメインキャラクターはもちろん、今回から新たに登場するキャラクターたちも個性的で活き活きとした魅力がありますし、それら人物たちが、時に頭脳的に謎に迫り、時にド派手な大活劇を演じてと、エンタメ的な盛り上がりがやはり素晴らしかったです。

 それでいて本格ミステリとしても、これまた前作と同様に、クライマックスにおいて数々の謎が探偵役によって一気に解決されてしまいますし、その際に怪異的な謎が見事に解けてしまったりもするので、三津田信三の“刀城言耶シリーズ(No.55「首無の如き祟るもの」No.291「水魑の如き沈むもの」等)”を彷彿とさせるものがありますね。

 まあ、“刀城言耶シリーズ”ほどの超絶トリックや圧倒される謎解きや驚愕のどんでん返しがあるわけではないので、あくまで“楽しく読むことができる活劇エンタメミステリ”であることを了解してもらったうえで“刀城言耶シリーズ”が好きな方にオススメしたい作品(シリーズ)です。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


 【 “丸山天寿”関連記事 】

 > No.416 「琅邪の虎」
 > No.395 「琅邪の鬼」


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