『伏 贋作・里見八犬伝』 桜庭一樹 > 「このミス」完全読破 No.412
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.412
『伏 贋作・里見八犬伝』 桜庭一樹
「このミス」2012年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.12.29 ~ 読終:2011.1.2
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年11月>
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江戸時代を舞台とした、伏という生き物と、それを狩ることを生業とする少女との物語です。
この“伏”というのは、犬と人間両方の血を受け継いだ生物で、見た目は人間と変わらないため、普段は人間として生活しています。
しかし、性格的にも容姿的にも伏独特の特徴があり、特に動物的な凶暴性を秘めていることが危険視され、魔女狩りならぬ“伏狩り”が行われることに。
そんな江戸の町にやってきたのが、山奥で猟に明け暮れていた少女でして、育ての親である祖父が亡くなったために兄を慕って江戸へ来て、その兄と共に伏狩りを行うこととなったのです。
この少女を主人公として、伏相手の捕物帖的大活劇が繰り広げられると共に、伏一族の禍々しくも哀しい因果ストーリーが語られていきます。
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というわけで、タイトルからもわかるように、曲亭馬琴作による「南総里見八犬伝」を桜庭一樹流に作り変えた作品です。
とはいえ、「南総里見八犬伝」をそのままベースにしているわけではなく、少し捻りが加えられているので、そういった部分でも読み応えがありましたね。
それに、時代ものではあるけれどファンタジー的な雰囲気があるし、どこか手塚治虫時代の漫画を思わすようなコミカルながらも重みのある語り口やキャラクターが“桜庭一樹節”といった感じの魅力となっているので、題材の割には思いのほか読みやすく、そしておとぎ話的なワクワクする(それでいて深く考えさせられる)面白さも感じられました。
そして、これはアニメ化したらかなり面白くなりそうだな~と読みながら思っていたのですが、よくよく思い出してみたら帯に“アニメ映画化進行中!”って書いてありましたね。普段アニメはほとんど観ないのですが、これはちょっと観てみたいです。
あと、「南総里見八犬伝」を読んでいた方が、その相違点や原作をいかに上手く料理しているのかがわかってより楽しめますが、ただ読んでいなくても本作だけで充分楽しめると思いますし、どうせ読んでいないのならば原作の情報を全く仕入れずに本作を読んでしまった方がかえっていいのかもしれません。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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