「このミス2011年版」ランクイン作品数珠つなぎオススメ本ガイド(6-10位)
「このミステリーがすごい!2011年版」が発売されて早くも1ヶ月以上が経ったので、上位にランクインした作品を読んでみた方も多いのではないでしょうか。
ただ、ランクインした作品を読んでいくだけというよりも、読んで面白かった作品にタイプが近い本を読んでいく、という方が、どんどんと読む本・好きな本が広がっていくと思うのです。
なので、「このミス2011年版」のベスト10にランクインした作品にタイプの近いところがある作品を、過去の「このミス」にランクイン(したりしなかったり)した本の中から選んで、「数珠つなぎオススメ本ガイド」として紹介してみたいと思います。
ただ、1作品につき2作品ずつ紹介していく形なので、“数珠つなぎ”とはいえないかもしれませんが、この企画を何年も続けていけば自然と数珠のように繋がっていくのではないか、ということでご勘弁ください。
ちなみに、ほとんど同じようなタイプの作品のみを紹介するのはさすがに無理なので、一部分で繋がりのある作品を紹介するような形となります。
そのため、必ずしも読んだ人が面白く感じた部分がつながっているとは限らないので、その点をご了承した上で参考にしてみてください。
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6位 : マリアビートル
/ 伊坂幸太郎 <感想記事はこちら>
何人もの殺し屋が同じ新幹線に乗り合わせ騒動を巻き起こすコミカルなクライムノベルなので、殺し屋が複数登場する作品を紹介してみましょう。
まずは、2008年版9位の「夕陽はかえる」。被害者も容疑者も仲間も敵も探偵役も皆殺し屋という凄い設定でして、表向きの職業(医者やパン屋や相撲取りなど)を活かしたとんでもバトルは必読です。
2冊目は、2010年版15位の「ダイナー」。魅力的な求人広告につられて犯罪計画に巻き込まれた主人公がウェイトレスとして売られた先は、プロの殺し屋のみが集まる会員制の定食屋で.....。
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7位 : 水魑の如き沈むもの
/ 三津田信三 <感想記事はこちら>
これで3作目のランクインとなる“刀城言耶シリーズ”の長編第5弾作品。大雑把ですがミステリ的な部分に似た魅力のあるタイプの作品を紹介してみましょう。
まずは、1996年版4位の「魍魎の匣」。作品が描かれる時代やホラー的な雰囲気など似ていますし、クライマックスにおける怒涛の謎解きなど共通する魅力が多いように感じられますね。
2冊目は、メフィスト賞受賞作の「琅邪の鬼」。この作品は「このミス」にはランクインしていなくて、舞台も日本ではなく中国なのですが、クライマックスにおいて数々の謎が探偵役によって一気に解決されてしまいますし、怪異的な謎にも納得できる解決がなされるので、そういったミステリ部分に似た魅力が感じられる作品です。
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心霊写真が物語に大きなアクセントを加えている作品なので、現実的な世界に超常現象が現れることでドラマ性を生み出している作品を紹介してみましょう。
まずは、2007年版15位の「ボトルネック」。主人公がパラレルワールドに入り込んでしまったのをきっかけにして、米澤作品らしさが溢れる切なく哀しい青春物語が繰り広げられていきます。
2冊目は、1999年版9位の「秘密」。交通事故の影響で娘の身体に妻の精神が乗り移ってしまったことをきっかけにして、主人公も読者も激しく胸を締め付けられるような人間ドラマが繰り広げられていきます。
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9位 : アルバトロスは羽ばたかない
/ 七河迦南 <感想記事はこちら>
シリーズ1作目のNo.368「七つの海を照らす星」は「このミス」で1票も入らなかったのに、2作目である本作が一気にベスト10にランクインしてしまったので、同じように「このミス」で“シリーズ1作目ランク外→2作目ベスト10”となった作品を紹介してみましょう。
まずは、2007年版10位の「夏期限定トロピカルパフェ事件」。前年に出た“小市民シリーズ”1作目のNo.39「春期限定いちごタルト事件」は1票も入らなかったのですが、ミステリ要素における魅力&レベルの大幅アップの影響もあってベスト10にランクイン。さらに3作目のNo.250「秋期限定栗きんとん事件」もベスト10入り(2010年版10位)。
2冊目は、2007年版6位の「名もなき毒」。シリーズ1作目のNo.77「誰か」も面白い作品だったのに53位と票が伸びなかったのですが、さらにとんでもなく面白くなった2作目で納得の大幅順位アップとなりました。
夏期限定トロピカルパフェ事件
/ 米澤穂信 <感想記事はこちら>
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10位 : 綺想宮殺人事件
/ 芦辺拓 <感想記事はこちら>
まあとにかく冒頭から最後まで古今東西の衒学趣味(ペダントリー)的蘊蓄の嵐で埋め尽くされている作品なので、同じように蘊蓄の嵐を楽しむことができる作品を紹介してみましょう。
まずは、1995年版7位の「姑獲鳥の夏」。蘊蓄ミステリの代表といえば京極夏彦であり“百鬼夜行シリーズ”でしょう。そのシリーズ1作目のこの作品は、序盤から繰り広げられる蘊蓄の嵐的会話に圧倒されるだけでなく、クライマックスで判明する事件の真相にも唖然とさせられること間違いなしです。
2冊目は、1989年11位の「竜の柩」。日本の竜伝説に端を発する壮大なスケールの伝奇小説ですが、主人公(=作者)が唱える大胆な仮説を支える蘊蓄の嵐が、これまたとんでもないスケールで読む者に迫ってくるのですね。ちなみに文庫版ではシリーズまとめて全6巻になっていますが、ハードカバー版「竜の柩」に該当するのは1・2巻部分です(3・4巻部分は「新・竜の柩」、5・6巻部分は「霊の柩」)。
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