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2010年12月20日 (月)

『廃院のミカエル』 篠田節子 > 「このミス」完全読破 No.409

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.409

 『廃院のミカエル』 篠田節子

   「このミス」2012年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.12.17~ 読終:2010.12.18

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年11月>

廃院のミカエル (集英社文庫)廃院のミカエル (集英社文庫)
篠田 節子

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 主人公である日本人女性が、新ビジネスの鍵となる“ある物”を探すために、他の日本人2人と共にギリシャの僻地にある町へ。

 ところが、その旅の途中で廃墟と化した修道院に導かれるかのように入ったことをきっかけにして、とても奇怪な現象に次々と巻き込まれていくことに.....。

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 というわけで、外国の地を舞台にしたホラーサスペンス作品です。

 様々な怪奇現象がサスペンス部分を盛り上げるのですが、この物語のメインとなる廃院というのがとても不気味な存在感を示していることもあり、オカルト的な薄気味悪さが作中に漂っていて、読んでいて背筋が凍るようでした。

 しかも、その怪奇現象が現実的なものなのか超常現象なのか(作中の人物たちと同様に)疑いながら読み進めることになるので、そういった部分での緊迫感がかなりのものでしたし、そんな“謎を追いかけていく”というミステリ的な構成によって作品に強く引き込まれていくようでしたね。

 さらには、キリスト教や修道院、宗教絵画、悪魔払いの儀式などの西洋宗教的要素によって作品が神秘的&幻想的な雰囲気に包まれているのですが、No.159「仮想儀礼」と同様に主人公が無神論者的目線ということもあって、宗教に馴染みのない(または抵抗のある)方でもすんなりと作品世界に入っていけると思います。

 それに、主人公たち3人がそれぞれ抱える人間ドラマ部分も物語に厚みを加えているので、大作感があるわけではないとはいえ、とても読み応えのある作品でした。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “篠田節子” 関連記事 】

  > No.896 「竜と流木」

  > No.836 「インドクリスタル」
  > No.693 「ブラックボックス」
  > No.409 「廃院のミカエル」
  > No.213 「薄暮(沈黙の画布)」
  > No.159 「仮想儀礼」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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