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2010年12月16日 (木)

『追悼者』 折原一 > 「このミス」完全読破 No.407

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.407

 『追悼者』 折原一

   「このミス」2012年版 : 79位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.12.11~ 読終:2010.12.14

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年11月>

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折原 一

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 「誘拐者」「愛読者-ファンレター」「セーラ号の謎-漂流者」「遭難者」「冤罪者」「失踪者」「沈黙者」「行方不明者」 No.231「逃亡者」に続く”~者シリーズ”の10作目です。

 シリーズものといっても、それぞれ独立した話なので、どの作品から読んでも問題ありません。

 そしてこのシリーズは、実在の事件をテーマにした作品が多いのですが、本作では“東電OL殺人事件”をテーマにして書かれています。

 なので、事件についてある程度知っていれば“あの事件をこんなふうに料理したのか”といった楽しみ方もできると思うのですが、知らなければそれはそれで先入観なく読めていいかもしれませんね。

 ちなみに、この“東電OL殺人事件”をテーマにした小説はこれまでにも何人かの作家が書いていまして、桐野夏生の「グロテスク」、鳴海章の「鹹湖 彼女が殺された街」、久間十義の「ダブルフェイス」、真梨幸子の「女ともだち」などがあります。

 あと、折原一作品の特徴を知らないで“これから本作を絶対に読もう!”と思っている方は、これより下は見ずにまずは本作を読んでしまった方がいいですよ。

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 本作は、作中で起きる殺人事件の真相についてノンフィクション作家である主人公が迫っていく、サスペンス作品です。

 事件の真相を探るうえで被害者の生い立ちから調査していくわけですが、謎めいたその生涯を辿っていくうちに新たなる謎が発生したり新たなる真実が明らかになっていき、クライマックスでは驚くべき事実が姿を現すのですね。

 というわけで、ノンフィクション作家の取材を通して語られていくサスペンス的展開がスリルありますし、やはり“叙述トリックの名手”だけあって、クライマックスでの驚きやそこに至るまでの盛り上げ方など、あいかわらずの迫力でした。

 ただ本作の場合、クライマックスにおけるどんでん返しは、驚愕するほどの意外性があるわけでもなく、予想の範囲内といった感じなのです(まあ人によるとは思いますが)。

 だからといってツマラナイというわけでは全然ありませんでして、先にも書いたようにスリル満点のサスペンス劇が繰り広げられますし、“誰が真犯人なのか?(いわゆるフーダニット)”というミステリ要素がサスペンス的展開をさらに盛り上げるのです。

 そして真犯人が明らかにされると同時に浮かび上がってくる人間ドラマ的真相も、思わずゾッとしてしまうくらいの刺激があるのですね。

 それで今回のどんでん返しは、伸るか反るかの一発技ではなくて、こういったサスペンス&ミステリ的部分やストーリーと上手い具合に浸透しているので、ドカンとくる衝撃ではなく鋭い切れ味的効果となっているわけなのです。

 なので本作は、どんでん返し部分に対して強く期待するよりも、サスペンス&ミステリ部分をより楽しむ意気込みで読む方がいいと思いますね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★     感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “折原一”関連記事 】

  > No.691 「潜伏者」
  > No.512 「帝王、死すべし」

  > No.407 「追悼者」
  > No.338 「赤い森」
  > No.325 「倒錯のロンド」
  > No.231 「逃亡者」
  > No.153 「倒錯の死角」


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