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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.394
『新世界崩壊』 倉阪鬼一郎
「このミス」2011年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 27位
読始:2010.11.4 ~ 読終:2010.11.4
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : ノベルス <2010年9月>
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倉阪鬼一郎は、様々なジャンルの作品を毎年発表している多作作家なのですが、その中でもミステリ系作品においては2つのタイプに分類することが出来ます。
作者自身の呼び方でいうと“ダウナー系”と“アッパー系”で、2009年の作品では、“ダウナー系”が幻想ミステリNo.192「遠い旋律、草原の光」、そして“アッパー系”がNo.391「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」。
そして今年(2010年)の作品でいいますと、“ダウナー系”が幻想ミステリ「薔薇の家、晩夏の夢」で、“アッパー系”が本作となります。
まあ“アッパー系”というのは、わかりやすくいってしまえば“バカミス”なのですが、前作「三崎~」が“世界バカミス☆アワード”を受賞しているほどにバカミス評価の高い作品だったので、本作にもバカミス的期待が高まりまくってしまいました。
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物語は、殺し屋美女がニューヨークとロンドンを瞬時に移動しながら任務を遂行していくという、不可能犯罪サスペンス的なノリで進んでいきます。
そしてやっぱり前作と同様に、謎の真相が明らかにされてみますと、これがもうあまりのバカらしさに唖然茫然としてしまうのですねェ。
さらにその後でとんでもない仕掛けが作品内に施されていたことも明らかにされ、呆れかえってしまいつつもそのバカミスに対する執念と情熱に感動してしまうところも、前作と同様です。
まあつまり、前作とパターン的には似た感じなので、読んだ時のインパクトでいうとどうしても劣ってしまいますが、ただそれでも騙されたり驚いたり呆れたり笑わされたり唖然とさせられたり幸せな気分になったりと、前作で味わった面白さ&魅力を、もう一度味わうことが出来る作品なのですね。
なお、ずっと“前作”という呼び方をしていますが、別に話が繋がっていたり共通する人物が出てくるわけではないので、本作から読んでも全く問題ありません。
でもやっぱり、最初の衝撃は「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」の方で味わうことをオススメします。
ちなみに、前作同様に本作も文庫化はまず無理だと思うので、文庫化を待っていると永遠に読むことが出来ないでしょうね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “倉阪鬼一郎” 関連記事 】
> No.592 「不可能楽園〈蒼色館〉」
> No.502 「五色沼黄緑館藍紫館多重殺人」
> No.394 「新世界崩壊」
> No.391 「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」
> No.192 「遠い旋律、草原の光」
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