「2011 本格ミステリ・ベスト10」
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「このミス」の方が年々ミステリ界の総括的な企画が減ってきて、単なるランキング&読切掲載本と化してきているため、一年の総括・資料的な役割を期待して昨年始めて「本ミス」も購入したのですが、やはり満足いく内容だったので、今年は発売直後に購入しました。
と、ここで、「このミス」と「本ミス」の違いを簡単に説明してみますと、「このミス」の対象となるのはミステリー&エンターテイメント本で、すなわちこんなタイトルに関わらずミステリ本だけが対象となっているわけではないのに対し、「本ミス」の方は、そのタイトル通り、ミステリの中でも“本格ミステリ小説”に限定されたランキングなのです。
なので、同じミステリ本のランキングでもその対象作品は異なるため、それぞれ独自のランキングが作られるので面白いのですが、そのために「このミス」を予想するのと「本ミス」を予想するのとでは、読むべき作品も微妙に変わってくるのです(それぞれの投票者の好みなんかも違っていますし)。
それで昨年の記事では『2010年(2011年版)は、(略)~「本ミス」向きの作品も出来るだけ読んでいって、年末には「本ミス」予想も出来ればなぁ、と思っています』と書いたものの、結局「このミス」対象作品を読むのに精いっぱいで、「本ミス」予想をするなら読むべき作品(でも「このミス」だけ予想するなら読まなくてもよさそうな作品)には手を付けることができなかったのですね。
そのために今年も「本ミス」の予想しなかったわけですが、でもまあせっかく今年も「本ミス」を買ったことですし、昨年と同様に、一体「本ミス」にランクインした本のうちどのくらい読んでいたのか、そしてもし「本ミス」予想するのであればどの本を読んでいたのだろうか、といったところを、ランキングと共にちょっと見てみたいと思います。
○:事前に読んでいた作品 ●:読みたかったけど読めなかった作品
▲:「本ミス」を予想するのであれば必ず読んでいたであろう作品
×:全くノーマークだった作品
()内は、このミス順位
タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想記事です
01位 : ○ 隻眼の少女 / 麻耶雄嵩 (4位)
02位 : ○ 叫びと祈り / 梓崎優 (3位)
03位 : ○ 水魑の如き沈むもの / 三津田信三 (7位)
04位 : ○ 綺想宮殺人事件 / 芦辺拓 (10位)
05位 : ○ アルバトロスは羽ばたかない / 七河迦南 (9位)
06位 : ○ 貴族探偵 / 麻耶雄嵩 (20位)
07位 : ○ 写楽 閉じた国の幻 / 島田荘司 (2位)
08位 : ○ 丸太町ルヴォワール / 円居挽 (11位)
09位 : ▲ 謎解きはディナーのあとで / 東川篤哉 (24位)
10位 : × こめぐら / 倉知淳 (17位)
11位 : × なぎなた / 倉知淳 (27位)
11位 : ○ ふたりの距離の概算 / 米澤穂信 (33位)
13位 : ○ 黒と愛 / 飛鳥部勝則 (31位)
13位 : ○ セカンド・ラブ / 乾くるみ (44位)
15位 : ○ 闇の喇叭 / 有栖川有栖 (147位)
15位 : ■ ジークフリートの剣 / 深水黎一郎 (40位)
17位 : × アリアドネの弾丸 / 海堂尊 (対象外)
17位 : ○ 扼殺のロンド / 小島正樹 (130位)
19位 : ▲ キッド・ピストルズの醜態 / 山口雅也 (27位)
20位 : ○ 空想オルガン / 初野晴 (33位)
21位 : ○ この国。 / 石持浅海 (44位)
22位 : ○ 五声のリチェルカーレ / 深水黎一郎 (27位)
23位 : ▲ 幻視時代 / 西澤保彦 (投票数0)
24位 : ○ 屍の命題 / 門前典之 (投票数0)
25位 : ▲ 探偵小説のためのゴシック「火剋金」 / 古野まほろ (投票数0)
26位 : × うさぎ幻化行 / 北森鴻 (投票数0)
27位 : ○ 新世界崩壊 / 倉阪鬼一郎 (投票数0)
27位 : ○ 堂場警部補の挑戦 / 蒼井上鷹 (130位)
27位 : ○ 武家屋敷の殺人 / 小島正樹 (投票数0)
30位 : ○ シューマンの指 / 奥泉光 (5位)
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一昨年までは、「本ミス」のランキングをパッと眺めても初めて見る名前が多かったりしたのですが、今年も去年と同様に全ての作品をチェックしていて、読まなかった作品でも大体どういった内容なのか全てわかりますからね。
とここで、事前読んでいた作品数を、昨年と比較してみましょう。
> 昨年 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→22作品
> 今年 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→21作品
というわけで、驚くことに昨年とほとんど同じ結果となりました。
ベスト10では8割、ベスト20でも約7割5分の作品を読んでいて、“「本ミス」を予想するのであっても読んでいなかったであろう作品”が3作だけだったことを考えると、別に「本ミス」用に作品を選び読んでいなくても、予想するのにそれほど問題なさそうです。
なので、来年は初の「本ミス」予想に挑戦してみたいですね。
内容の方にも触れてみますと、今年も例年通りであるとはいえ、本格ミステリに関する2010年の様々な情報が幅広く収録されているので、やはり資料集としては「このミス」とは比べ物になりません。
それに今年のインタビューは、麻耶雄嵩と小島正樹というなかなかの人選なので、読み応えも抜群です(麻耶雄嵩のインタビューの聞き手を乾くるみ(市川尚吾)が務めているというのも、改めて考えてみたらなかなか凄い絵ですよねェ)。
そして今年は「2000-2009 海外本格ミステリ オールタイムベスト・ランキング」が収録された分、約30ページの増量ながら、お値段据え置き(893円)というお買い得さなので、ぜひともオススメです。
自分は今のところは日本の作品を読むだけで精いっぱいなので、海外作品にまで手を広げることが出来ないでいるのですが、今後海外作品を読む機会が出来ましたら、この“海外オールタイムベスト”を参考にしたいですね。
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【「本格ミステリ・ベスト10」関連記事】
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