『アルバトロスは羽ばたかない』 七河迦南 > 「このミス」完全読破 No.387
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.387
『アルバトロスは羽ばたかない』 七河迦南
「このミス」2011年版 : 9位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング : 「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 77位
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 5位
「週刊文春ミステリーベスト10」 11位
読始:2010.10.21 ~ 読終:2010.10.22
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年7月>
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No.368「七つの海を照らす星」に続く、シリーズ2作目です。
前作と舞台や主な登場人物が同じですが、ストーリーが直接的に続いているというわけではないので、本作から読んでも楽しむことが出来ると思います。
ただ、登場人物が結構多いうえに関係性や個々の物語がちょっと複雑なので、前作である程度把握しておいた方が話に入っていきやすいと思うし、この後に書く理由もあって、まずは前作から読むことをオススメします。
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今回も児童養護施設で起こる日常の謎を巡っての騒動が描かれていくのですが、連作集だった前作とは構成の面で大きく変わっていますね。
施設に関係する大きな事故が起きまして、どうしてそんな事故が起きたのか、というか事故ではなく事件だったのでは?といった謎を探っていく話が作品を通して語られていきます。
その合間に、この事故が起きる前の段階での、施設を舞台とした4つの日常的な謎と騒動の話が挿入されているのです。
こちらの短編的な日常の謎の方が、前作同様に単なる謎解きに終わらず、児童養護施設における人間ドラマに結びついているところが鮮やかでしたし、前作よりもクドさが薄まったことにより読み応えがスッキリしたように感じました。
そしてこれらの短編的な話も事故の謎へのヒントとなっていまして、クライマックスで真相が明らかにされるわけですが、ここで強烈な衝撃が襲ってくるのですねェ。
この衝撃がホントにとんでもないものでして、自分なんかはその瞬間に本を読んでいることを忘れてしまい、現実の世界で感情を鷲掴みにされたような衝撃を受けたのと同じ感じになってしまったほどですから.....。
それでこの衝撃というのが前作を読んでいるとより増すと思うので、まずは前作から読むことをオススメします。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★★★☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “七河迦南”関連記事 】
> No.601 「空耳の森」
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