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2010年11月29日 (月)

「このミス2010年版」ランクイン作品数珠つなぎオススメ本ガイド(6-10位)

 「このミステリーがすごい!2010年版」が発売されて早くも1年近くが経つので、上位にランクインした作品を読み終えた方も多いのではないでしょうか。

 ただ、ランクインした作品を読んでいくだけというよりも、読んで面白かった作品にタイプが近い本を読んでいく、という方が、どんどんと読む本・好きな本が広がっていくと思うのです。

 なので、「このミス2010年版」のベスト10にランクインした作品にタイプの近いところがある作品を、自分がこれまで“「このミス」完全読破”として読んできた本の中から選んで、「数珠つなぎオススメ本ガイド」として紹介してみたいと思います(“「このミス」完全読破”のナンバリングでいうと、No.1~400の作品が対象です)。

 ただ、1作品につき2作品ずつ紹介していく形なので、“数珠つなぎ”とはいえないかもしれませんが、この企画を何年も続けていけば自然と数珠のように繋がっていくのではないか、ということでご勘弁ください。

 ちなみに、ほとんど同じようなタイプの作品を紹介するには、これまで読んできた冊数が少なすぎるので、一部分で繋がりのある作品を紹介するような形となります。

 そのため、読んだ人が面白く感じた部分で繋がっているとは限らないので、その点をご了承した上で参考にしてみてください。


 *タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです

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   6位 : 粘膜蜥蜴 / 飴村行  <感想記事はこちら>


 2009年に発売された作品の中でも最大の問題作といえそうなのですが、「このミス」の特徴というか懐の深いとことろいうのは、こういったとんでもない問題作でも普通にランクインしてくるところだと思うので、これまでに「このミス」にランクインした問題作を紹介してみましょう。

 まずは、2007年版で驚きの1位となってしまった短編集「独白するユニバーサル横メルカトル」。表題作が日本推理作家協会賞短編部門を受賞したということもあるのでしょうが、その他の作品がとんでもないエログロ全開作品揃いなので、内容的にも順位的にもまさに問題作といえるでしょう。

 続いては、2008年版13位の「バッド・チューニング」。これぞまさしく問題作中の問題作でして、その良い意味でも悪い意味でもあまりにヒドすぎる内容には、せいぜい1割程度の人しか面白いと思えないのではないかと思うのですが、その1割の人は大絶賛するでしょうね。

  独白するユニバーサル横メルカトル / 平山夢明  <感想記事はこちら>

  バッド・チューニング / 飯野文彦  <感想記事はこちら>


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   7位 : 仮想儀礼 / 篠田節子  <感想記事はこちら>


 金儲けのために新興宗教を作りだしたことで狂気の世界へと巻き込まれていく宗教サスペンスなので、宗教が作品に大きく関わってくる作品を紹介してみます。

 まずは、2008年版3位の「女王国の城」。人気の“探偵江神シリーズ”の4作目にあたりますが、本作では新興宗教団体を舞台に本格ミステリ的物語が繰り広げられていきます。

 続いては、少々古いですが、1994年版12位の「慟哭」。この作品は2つの話が並行して語られていくのですが、その一方の話というのが、大きなトラウマを抱えた男が宗教の世界へと嵌り込んでゆく話なのですね。そして最後には驚きの展開が。

  女王国の城 / 有栖川有栖  <感想記事はこちら>

  慟 哭 / 貫井徳郎  <感想記事はこちら>


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   8位 : 暴雪圏 / 佐々木譲  <感想記事はこちら>


 タイトルからもわかるように“雪が降り積もった地”における群像劇警察小説なので、白銀の世界を舞台とした作品を紹介してみましょう。

 まずは、「このミス」で“雪”とくれば真っ先に思い浮かぶであろう、1996年版で1位に輝いた「ホワイトアウト」。この作品は冒険サスペンス小説なのですが、終始雪山で物語が繰り広げられますし、大雪の過酷さと怖さが充分に伝わってきます。

 続いては、2009年版19位の「聖域」。こちらも雪山を舞台にしていながらも、内容の方は本格ミステリでして、雪山だからこそのミステリ的トリックが炸裂しますし、山を巡る人間ドラマとしても読み応え充分です。

  ホワイトアウト / 真保裕一  <感想記事はこちら>

  聖 域 / 大倉崇裕  <感想記事はこちら>


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   9位 : 龍神の雨 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>


 二組の兄妹(兄弟)を中心に描くサスペンス的ミステリなので、兄妹(兄弟)がメインとなる作品を紹介しようと思ったのですが、これまでに読んだ中では同じ道尾作品しか思いつかなかったので、道尾作品の中で兄妹がメインとなる作品を紹介してみましょう。

 まずは、2007年版17位の「向日葵の咲かない夏」。兄と妹、そして謎のS君の物語は、ラストで驚きの真相と共にとんでもない展開となっていくのですね。

 続いては、2011年版対象作品の「光媒の花」。短編集に近い連作集なのですが、そのうちの1作が兄と妹の話でして、とても切なく哀しい物語となっているのです.....。

  向日葵の咲かない夏 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>

  光媒の花 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>


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   10位 : 秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>


 “小市民シリーズ”第3作であるこの作品は“いつも一緒にいるのに恋人同士ではない高校生男女が主人公の学園青春ミステリ”なので、そのものずばり“いつも一緒にいるのに恋人同士ではない高校生男女が主人公の学園青春ミステリ”を紹介。

 まずは、2003年版2位の「GOTH リストカット事件(夜の章、僕の章)」。とても特殊な趣味嗜好を持つ主人公2人による本格ミステリでして、“小市民シリーズ”の主人公2人と関係性や魅力がかなり近い作品だと思うのです。

 続いては、2009年版20位の「退出ゲーム」。この作品が1作目となる“ハルチカシリーズ”は、“小市民シリーズ”や「GOTH」に比べると現代的な主人公ではありますが、仲は良いのにある共通する部分により恋人にはなりえない関係性や、本格ミステリ的な読み応えなど、似た魅力もありますからね。

  GOTH リストカット事件(夜の章、僕の章) / 乙一  <感想記事はこちら>

  退出ゲーム / 初野晴  <感想記事はこちら>


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 「このミス2010年版」ランクイン作品数珠つなぎオススメ本ガイド(1-5位) <<<


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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