週刊少年ジャンプ読切! 「ベンチ」 岸本斉史
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ジャンプから生まれた大物漫画家6名による読切企画“秋の超豪華大物読切シリーズ!! トップ・オブ・ザ・スーパーレジェンド”の第1弾として、週刊少年ジャンプ2010年45号(10月9日発売)に掲載された読切作品が、「ベンチ」です。
作者の岸本斉史(きしもと・まさし)は、説明するまでもないとは思いますが、大ヒット作「NARUTO-ナルト-」が現在も本誌で連載中です。
この「NARUTO」が連載開始された1999年以降の読切作品発表は今回が初となりますが、連載前に発表された読切作品としては、“赤マルジャンプ1997WINTER”に「カラクリ」(デビュー作)、“赤マルジャンプ1997SUMMER”に「NARUTO」、本誌1998年4・5合併号に「カラクリ」(本誌デビュー作)があります。
ちなみに、赤マル版「カラクリ」は「NARUTO-ナルト-[秘伝・皆の書]」(Amazonへのリンク)に、赤マル版「NARUTO」は「NARUTO-ナルト-[秘伝・兵の書]」(Amazonへのリンク)
に収録されています。
内容の方は、熱血中学野球漫画です。
都会から引っ越してきた新人の山口勤は、太った体型からの想像通りにチーム分けテストでは最下位だったため、落ちこぼれが集まるDチームに入ることに。
そのDチームでは、阪神好きの虎刈り投手・王雅之などのわけありメンバーが、マトモな練習も出来ず雑用に明け暮れる日々を送っていました。
野球に対し真面目に向き合う山口の加入によりメンバーの心境にも変化が表れてくる中、Aチームのエース投手・小野寺仁らともめ事が起き、Aチーム対Dチームの野球対決が行われることに.....。
というわけで、異世界忍者アクション漫画である「NARUTO」を読み慣れているだけに、同じ絵で現代の中学生野球漫画という全く別ジャンルの話が展開されていくというのは、なかなか新鮮で面白かったですね。
そして内容は、最近のジャンプでは連載作品が惨敗続きで鬼門となっているスポーツ物なわけですが、落ちこぼれチーム(選手)とエリートチーム(選手)が対戦するという定番的な展開ではあるものの、そこに持っていくまでの伏線の散りばめ方や、クライマックスでそれをまとめて対戦場面を盛り上げる演出などによって、その定番的展開を上手く話の中に馴染みこませていたように思いました。
それに、読切のページ数の中でもキャラクターがある程度出来上っていて、それぞれのキャラのその後が気になり続きも読んでみたくなってしまうところなど、やはり新人とは違う“読ませる力”を感じましたね。
まあ、スポーツ物というジャンル的にもそうだし、現実世界の現実的な話ということもあって特別驚くような展開とか演出・真新しさがあるわけではないので、“「NARUTO」の作者の読切作品”という期待感からすると物足りなさを感じてしまう方も少なくなさそうですが、「NARUTO」連載中だからこそ挑戦できた作品なのかもしれないので、作者の新たな一面を見れたという意味でも、この企画の意義、そしてこの作品が発表された意義があったのではないでしょうか。
ちなみに、扉絵に付けられている煽り文は、
「野球だけはあきらめねえ。 いつだってベンチ(オレ達)はここに…!!」
「☆岸本斉史がグラウンドに描く
汗と涙のド熱血野球読切! C(センター)カラー49P!!」
というものでした。
投票受付期間:2010.10.9~10.16
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投票受付期間:2010.11.14~11.22
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