『見えない復讐』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.383
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.383
『見えない復讐』 石持浅海
「このミス」2011年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.10.14 ~ 読終:2010.10.15
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年8月>
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今年の石持浅海は精力的に作品を発表していまして、「このミス2011年版」対象作品としてはNo.293「君がいなくても平気」 No.297「リスの窒息」 No.389「撹乱者」 No.350「この国。」 「八月の魔法使い」、そして本作と、なんと6作品も発表しているのです。
しかもどの作品が「このミス」にランクインしても驚かないくらいのレベルにあるのが凄いところですね。
そしてその中でも「攪乱者」「この国。」そして本作は、テロリズムがテーマの一つとなっているという共通点があるのですが、それぞれの作品によって扱われ方が変わっているので、それを読み比べるだけでも楽しめるのではないでしょうか。
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それで本作ですが、ある法人に対して復讐を誓う男たちの物語です。
その復讐方法というのがテロリズム的なものなのですが、ただ実行するには資金力が足りない、ということで主人公たちは、復讐資金を稼ぐためにベンチャー企業を設立することに。
するとそこから、投資家に出資をお願いしたり、会社を軌道に乗せたり、新事業を開拓したりと、企業小説として進んでいくのですから驚きました。
さらには、この作品は連作的な構成となっているのですが、その章ごとに日常の謎系のミステリ話が繰り広げられていくのです。
復讐物語かと思えば企業小説で、企業小説かと思えば日常の謎でと、この一筋縄ではいかない予測不能なところはなんとも石持作品らしいのですが、それでも芯の部分はしっかりと一本につながっているところもさすがですね。
そして終盤になるとサスペンス色がより濃くなっていって、緊張感がハンパない迫力満点の展開でクライマックスへと突入していくのです.....。
単なる復讐劇には終わらない力作でかなりの面白さなのですが、復讐の動機に共感を得にくいところや論理的推理部分など、石持作品特有のアクの強さに引っ掛かってしまう人だと心から楽しめなくなってしまうかもしれないので、そこのところはあまり深く考えずに読んだ方がよいでしょうね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.558 「トラップ・ハウス」
> No.544 「玩具店の英雄 座間味くんの推理」
> No.509 「彼女が追ってくる」
> No.484 「人面屋敷の惨劇」
> No.465 「ブック・ジャングル」
> No.389 「撹乱者」
> No.383 「見えない復讐」
> No.350 「この国。」
> No.297 「リスの窒息」
> No.293 「君がいなくても平気」
> No.112 「耳をふさいで夜を走る」
> No.091 「君の望む死に方」
> No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
> No.070 「月の扉」
> No.037 「扉は閉ざされたまま」
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