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2010年10月26日 (火)

『犬なら普通のこと』 矢作俊彦 司城志朗 > 「このミス」完全読破 No.382

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.382

 『犬なら普通のこと』 矢作俊彦 司城志朗

   「このミス」2010年版 : 5位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 4位

   読始:2010.10.13 ~ 読終:2010.10.14

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2009年10月>

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矢作 俊彦 司城 志朗

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 矢作俊彦・司城志朗という同年生まれ作家による共著作品です。

 漫画だと原作と作画のコンビ作品は普通に見かけるものの、小説の場合だと、ないことはないとはいえコンビ作品は珍しいですよね。

 この2人の作家は、それぞれの作品としてもこれまでに名作を数多く発表していますが、「暗闇にノーサイド」で角川小説賞を受賞するなど、このコンビにおける作品でもすでに実績があるのです。

 そして本作は、1984年に発表された3作目「海から来たサムライ」以来となる、25年ぶりの黄金コンビ復活作品です。

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 舞台は沖縄で、ヤクザから足を洗おうとしている主人公が、その手土産として組の資金を強奪しようと計画。

 しかし不運を身にまとっているような主人公なのでアクシデントが頻発していき、先の見えない泥沼劇へと突き進んでいくのです.....。

 というわけで裏社会の騒動を描いたクライムノベル作品ですが、沖縄のじっとりとした暑さが作中から漂ってくるかのようで、普通の犯罪小説では感じることのできない独特のじめっとした空気感が、作品をより熱く、より濃く、より焦燥感たっぷりに仕立て上げているように感じました。

 そしてストーリー的にも、騙し合い・探り合いがあったり次々と状況が変化していったりするものの、テンポよくスピーディーに進んでいくわけではないので、正直なところ途中までは盛り上がりに欠ける印象となっていましたが、この静かに圧倒してくるかのような筆力に次第に魅せられてきて、読み終えた頃にはこの作品世界にどっぷりと浸かりきっていましたからね。

 そんな内容なので、「このミス」で5位にランクインしたとはいえ読む人をかなり選ぶ作品だと思うのですが、好きな人にはたまらない魅力に満ち溢れた作品でもあるのです。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “矢作俊彦” 関連記事 】

  > No.802 「フィルムノワール/黒色影片」

  > No.800 「THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ」
  > No.476 「引擎 engine」
  > No.470 「ARAKURE あらくれ」
  > No.399 「百発百中 狼は走れ豚は食え、人は昼から夢を見ろ」
  > No.382 「犬なら普通のこと」


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